Notes コーヒー

生きてて、すみません

Notes コーヒー

昔は青年らしい鬱屈の気持ちから「生まれてすみません」と自らを卑しんだものだが、今は長く生きすぎた厄介者の老人が「生きてて、すみません」と頭を下げる時代らしい。

竪穴に暮らしていた頃から、狩りのできぬ者、子の産めぬ者は仲間に蔑まれ、群れの隅に追いやられる……というのはあったかもしれないが、今はそれに輪をかけて、自己の尊厳や生命の保証を傷つけられるから、当時よりたちが悪いのではないかと思ったりもする。若い時分に、なまじ成功体験があれば、尚更だろう。何も悪い事などしてないのに、『生きてて、すみません』と頭を下げなければならない時代は生産する者だけが重んじられ、生産できない者は場を奪われる。国家存続の為にはそれしかないとしても、それが高度に発達した社会の有り様なのだろうか。

そうして、弱い者、非生産的な者から、静かに消えてゆけばいい。

人間を排除する社会の結末は、『そして、誰もいなくなった』。

実際、そうして、滅ぶ。

※『生きてて、すみません』のエピソードは、あるWEB漫画の一節です。でも、どこで目にしたのか、まったく記憶していません。ごめんなさい<(_ _)>

言葉の倉庫の関連記事

女性

2000年の産経新聞に掲載された『10代の声』という投稿より。 人間同士支え合い 自殺を減らそう ー新聞販売店社員 男性 19歳ー 8月18日付本紙朝刊で、自殺者が二年連続で3万人を超えたと報じられた。 少なくとも私には自ら命を絶つことはで […]

親を殺すか、自分が死ぬか ~現代の親殺しとオイディプスの幸せ道~

現代は様々なネットサービスが発達した結果として、人の魅力や能力など、いろんなものが可視化され、大勢の評価や共感を得られない人にはだんだん生きづらい世の中になっています。 高校生の頃にも、学校カーストやドロップアウトは存在しましたが、一人一人 […]

自分を見つめる・自分を知る 親と対決する為に

親と対決するにあたって一番大切なのは、『自分を知る』ということです。 闘う前に、自分はどうしたいのか、何が欲しいのか、とことん考えて、自分という人間を理解しましょう。漠然と親に歯向かっても、何がしたいのか分からなければ、ただの口答えで終わっ […]

>海洋小説『曙光』MORGENROOD

海洋小説『曙光』MORGENROOD

宇宙文明の根幹を支える稀少金属ニムロディウムをめぐる企業と海洋社会の攻防を舞台に描く人間ドラマ。生きる道を見失った潜水艇パイロットと愛を求めるフォルトゥナの娘の恋を通して仕事・人生・社会について問いかける異色の海洋小説です。
Kindle Unlimitedなら読み放題。
Amazonの海洋学ランキングで一位を記録。

CTR IMG