前述の文章を読んで、「親殺しとは何事か、親を捨てて出て行くなど、けしからん」と思われる親御さんもおられるかもしれません。
しかし、ここで述べている『親殺し』とは、あくまで心の作用であり、現実に親を殴り殺せとけしかけているわけではありません。
幼い子どもにとって、親は『神』に等しいものです。善悪の価値観、生き方、箸の上げ下ろしからトイレットペーパーの使い方に至るまで、親の影響を受け、その支配下に置かれます。その神に逆らい、新しい価値観を構築して、自分の望む道を進むのは『殺し』にも等しい恐怖です。こんな恐ろしいことを企てるぐらいなら、親に支配され、罵られても、奴隷でいようとする子どももあるでしょう。そこまで従順でなくても、なんとなく親に言われるがままにする人も少なくないと思います。反抗するより、従順でいる方が、労苦も少なくて済むからです。
その点、真っ向から反抗する子は、気概に溢れ、バイタリティも強いのかもしれません。
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