ばかけんちく探偵団 談話室 

専門家と一般人が熱い意見を交わした【ばかけんちく談話室】について

ばかけんちく探偵団 談話室 

【ばかけんちく談話室】は、1995年より運営が始まったウェブサイト『ばかけんちく探偵団』に設置されていた掲示板です。

インターネットやウェブサイト(当時はホームページという呼び名が主流)がまだ一部のマニアの聖域で、異様にテンションの高い知識人や趣味人が自分の考えや好きなものについて、とうとうと語ることができた時代、建築の専門家や一般人が集まって、建築に関する様々な意見や感想を交換していた伝説の掲示板です。

もちろん、当時から「フレーム」と呼ばれる激しい意見の応酬(現代の「炎上」とは微妙に異なります)、嫌み、無視の類いはありましたが、この頃は、匿名であっても、皆さん、非常に行儀がよく、掲示板に本名や電話番号を書き込んでもほとんど実害がない、のんびりした世界だったんですね。

実名の書き込みについては、掲示板の種類にもよります。
当時はGoogleがなかったので、掲示板に住所や電話番号を書き込んでも、誰かに検索されることはなかったのです。
基本的にコミュニティメンバーに対する信頼もありました。

もちろん、当時からフレームと呼ばれる攻撃的な書き込み(現代の炎上とは微妙に異なる)、嫌み、無視はありましたが、『ばかけんちく掲示板』においては、建築の専門家と一般人が忌憚のない意見を交換することができました。

たとえ相手と考えが違っても、「僕はこう思う」と理路整然と説明し、相手の意見も尊重する。

現代のSNSのように、相手を揶揄したり、粘着したり、マウティングしたり、ということがなかったのです。

それは管理人である古井亮太さんのお人柄によるところが大きいし、参加者も「この場を大事にしたい」という思いで、コミュニティを育ててきました。

誰もが「おかしいものは、おかしい」と気軽につぶやいて、なおかつ、専門的な見地から、あるいは一般人の感覚から、テーマを深めて、皆で共有した――それが『ばかけんちく談話室』です。

知識や気持ちをシェアするとは、まさにこのこと。

絵に描いたような『WEB2.0』の世界が「ばかけんちく談話室」にはあったのです。

しかし、当時はアナログ回線で、インターネットの課金も時間制だったり、従量制だったり、「月額何時間まで」と制限があるので、際限なくウェブサイトを閲覧するなど、夢のまた夢です。EvernoteやGoogle Driveみたいなオンライン保存ツールもありません。

お気に入りの記事があれば、「ページを丸ごと保存」→「紙Copi」で整理、みたいな方法しかありませんでした。

そうして、せっせとローカルに保存して、今日まで大切に持っていたのが、当サイトに公開している「ばかけんちく探偵団 アーカイブ」です。

当時を知る人はもちろんのこと、現代のSNSやネット炎上しか知らない世代には、「ネットの建設的な議論というのは、こういうものだよ」ということで参考にして頂けたらと願っています。

管理人の古井亮太さんには、10年ほど前、「談話室のアーカイブ、保存していますよ」とメールを差し上げて、ファイルの送信をしようとしたのですが、当時としてはファイル容量が大きすぎて(まだクラウドが存在しなかった)、受け渡しができなかった記憶があります。その時には、「サイトで公開して下さっていいですよ」というようなお返事を頂いたのですが、こちらに気が付いたら、ぜひご連絡ください。
※ 先日、Gmailにメールをしたのですが、まだ返事がありません^^; もしかして、メールアカウントも閉じてらっしゃるのでしょうか。。

また、掲示板に書き込まれた本名、メルアド、住所、電話番号、書籍名など、個人が特定できる情報は、私の方で画像処理しています。

「これは僕の書き込み!」とか、お気付きのことがありましたら、お気軽にご連絡ください。


http://www.st.rim.or.jp/~flui/bk/home.html
ばかけんちく探偵団 談話室 

いつからネットはドヤ顔で正論を語る場になったのか ~「ばかけんちく談話室」が楽しかった理由

建築の専門家と一般人が自由に意見交換できた「ばかけんちく談話室」と現代のネットコミュニティとの大きな違いは、管理人である古井亮太氏が「議論はしない」というニュートラルな立場を貫かれた点だと思います。

「議論はしない」というのは、対立するな、という意味ではありません。

『議論』と大上段に構えると、どうしても「専門家が正しい。一般人は黙れ」というスタンスになってしまいます。

それがきわまれば、「専門家が正しく、一般人の考えや感じ方は誤り」という前提になり、普通の人は発言すら出来なくなります。そうなると、自由の皮を被ったファシズムですよね。

古井さんの方針は、立場を越えて、誰もが自由に発言できる、本物の民主主義でした。

そして、参加者もそれを理解して、たとえ大企業の設計士であろうが、大学の先生であろうが、声は声として受け止め、自らの学びとする。そういう意識が隅々まで浸透していたのです。

対して、現在は貴族制です。

発言者には、「発言する資格(品性や見識ではなく、知識や肩書き)」が求められ、資格なき者は声をあげることさえできない。

むしろ馬鹿にされ、晒し者にされる、市中引き回しの刑が公然と行われます。

「言論封殺」の定義が、ある思想に対してNoと言うことではなく、発言に資格が求められる点にあるとするなら、それは「奴隷に物を言う資格なし」という中世の感覚に他ならず、その行き着く先は、魔女裁判であり、民主主義の死です。

元々、ネットは、「誰もが身分や立場を越えて」という、民主主義を体現するようなツールでした。

コミュニティによっては、ギリシャのアカデメイアみたいな雰囲気がありました。

だからこそ、今まで存在すら知られなかった「名も無き民衆」が期待を寄せ、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」みたいな熱い理想も語られたのですが、結局、地位や肩書きによる序列ができると、貴族階級が生まれ、再び、名も無き民衆にとって暗黒の時代がやって来るのは、現実の歴史と同じです。

わたしが記憶する限り、「ばかけんちく談話室」は、かつてのネット民が理想とする民主主義が上手く機能し、ネットの可能性を感じさせる、楽しいコミュニティだったと思います。

今は、ドヤ顔のおっさん、オバハンが主流を占めて、読む方も、書く方も、退屈でしょう。

そうして、良識ある市民や本当の意味で知的好奇心に溢れた挑戦者が離れていけば、どこのネットコミュニティも崩壊して、結局は、テレビの二の舞になると思います。どのチャンネルを回しても、名の知れた芸能人が雛壇でペチャクチャ喋って、身内のギャグで盛り上がる、というあれです。

そんな未来において、ウェブ・デモクラシーは何所に向かうのでしょうか。

「ばかけんちく談話室」という一つのモデルを参考に、若い皆さんの手で創って頂ければ幸いです。

転載にあたって

・ 基本、そのまんま掲載しています。
・ 文中に掲載されている個人名、住所、電話番号、メルアドなどは、当方で伏せ字にしています。
・ 現在も有効なリンクはそのまま貼っています。
・ 文中での引用について、前後のスレッドが存在しないものもあります。
・ 文章の最後にオレンジ枠で掲載しているコメントは当方のものです。

タイトル一覧

※ まだ整理中です。2019/09/03現在。

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