神保彰にはなれなかった女の子 ~カシオペアの名曲「Right from the heart」

私が吹奏楽部で打楽器を担当して、高校3年の時には、佐野元春のコピーバンドでドラムを叩いていたことも、もう遠い思い出。

今では楽器に触ることもない。

その時、キーボードを弾いていたのが、今、音楽家として活躍している○○君。

当時、カシオペアの好きな高校生など、レアな存在だったから、話が合ったのは、本当に幸運だった。

○○君は、誰のファンだったか忘れたけども、私はドラマーの神保彰さんにちょこっと憧れてました。

とりわけ、アルバム『JIVE JIVE』に収録されている、「Right from the heart」。

アフリカの大地の踊りを思わせる、神保さんの力強いドラムに、心底惚れたもの。

宇宙的な女性ヴォーカルも素晴らしく、聴いている途中に、涙が浮かぶほどだった。

私も、どうしても、神保さんと同じようにドラムを叩きたくて、耳コピーでいっぱい練習したけど、ついに神保さんのようにはなれなかった。

当たり前だけど。

この曲が収録されたアルバム「JIVE JIVE」は、キーボード氏がダビングしてくれた。

まだカセットテープの時代の話だ。

「もうすぐ京都会館でコンサートがある」という話になった時、「へー、行ってみたいなぁ」とつぶやいたら、突然、チケットをくれた。

もちろんデートじゃなくて、野郎4人と一緒に出かけたんだけど。

高校生活も終わりの頃、スタジオでの練習の帰り、喫茶店に寄って、「○○君は卒業したらどうするの?」という話になった時、「東京に行って、プロのミュージシャンを目指す」と言っていた。

そして、その言葉の通り、卒業したら大学には行かず、東京で武者修行。

それからどうなったのかは知らないけれど、数年後、人気アニメのオープニングで彼の名前のクレジットを見た時、ものすごくビックリした。

珍しい名前なので、絶対的にあれはそうだと思う。タレントのバックバンドとしてビデオに映っていたという話もある。

最近になって、ちょっと調べてみたら、今も活躍してるみたい。すごいね。

「まりちゃんはどうするの? ドラム、続けるの?」と聞かれたけど、「私は才能ないし、ドラムは向かない」と答えた記憶あり。

あれから二十数年。

今、聞き返しても、あの頃の美しさは全然変わらない。

神保さんのドラムの力強さも。

YOUTUBEのコメントにこんな言葉があった。

This reminds me of nice old days in my 20s. Thank you for posting this.
20世紀のよき時代を思い出したよ。アップしてくれて、ありがとう・・

私も同じコメントを心から。

そして、夢を叶えたキーボード氏に心から乾杯。

JIVE JIVE by Village Records
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83年ロンドン録音盤の復刻。当時の代表的極東フュージョンだが、すっきりとしたアレンジは音数が少ないわりにチープには聴こえず、むしろ上品な感覚を漂わせている。意外にもヴォーカル入りの(2)や(9)にフュージョンとAORの近しい関係が見えて興味深い。

カシオペアを初めて見たのは、「神戸ポートピアランド」(2006年に閉園された)。
町内会で出かけた日帰りツアーで、たまたま屋外ライブに居合わせたのがキッカケだ。

その頃は、『カシオペア』の名前すら知らなくて、地元のコピーバンドが前座でもやってるのかな……と思って覗いてみたら、恐ろしくドライブ感のある演奏で、その場に釘付けになったほど。

その後、『カシオペア』が全国的に人気になるまで、さほど時間はかからなかった。

「フュージョン音楽」というのが世に浸透して、「なんちゃて高中昌義」みたいなギタリストが校内にポツポツ出始めた頃の話だ。

そんな彼らの代表作がこの『Jive Jive』。

レビューにもあるけれど、バンドとして一番輝いていた頃の作品じゃなかろうか。

そして、私が出かけたコンサートのオープニング曲は、確かここに収録されている「LIVING ON A FEELING」だったような記憶があり。

ここで紹介されている「Right from the heart」もこのアルバムに収録されています。

CASIOPEAの曲をいろいろ聴いてみたい方はSpotifyでどうぞ。

この記事を書いた人

石田 朋子のアバター 石田 朋子 サイト管理人

作家・文芸愛好家。80年代サブカルチャーの大ファン。普段はぼーっとしたおかあさんです。昭和の名作漫画はほとんど空で台詞が言えるほどの元祖ヲタ。車と猫が大好きな東欧在住。サイトでは作品紹介ではなく、作品を題材とした文芸コラムを掲載しています。

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