私の大好きな演劇マンガの金字塔『ガラスの仮面』に、こんな場面があります。
ラーメン屋の住み込み従業員の母親に育てられた北島マヤは、TVドラマの物真似が得意な凡庸とした中学生です。
しかし、往年の大女優、月影千草に演技の才能を見込まれ、千草の主催する劇団に入団します。
「お前みたいでノロマで、何の取り柄もない貧乏人の娘が、女優になどなれるわけがない」と反対する母親の制止を振り切って、マヤは劇団の寄宿舎に転がり込みます。母親は娘の後を追い、千草に「娘を返せ」と食ってかかります。
しかし、千草は、娘の可能性を潰すつもりか、と母親を説き伏せ、マヤを庇います。その後、考えを改めた母親は「娘をよろしくお願いします」と、苦しい心情を綴った手紙を送りますが、千草はそれをマヤには渡さず、破り捨ててしまいます。
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