「恋愛は不安との戦いである。結婚は不満との戦いである」は、唯川 恵さんの「瑠璃でもなく、玻璃でもなく (集英社文庫)」という小説の扉ページに書かれている言葉です。
先行き不安な交際中の女性なら、「まさにその通り」と納得されるのではないでしょうか。
昔から「女、三界に家なし」(大辞林の解説「女は三従といって、幼い時は親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならないとされるから、一生の間、広い世界のどこにも安住の場所がない。女に定まる家なし」)と言われているように、親と同居の独身時代は「いつになったら、お嫁に行くの(この家を出て行くの)?」と迫られ、結婚してからは「旦那と別れたら、他に行く所がない」と途方に暮れ、子供が所帯を持ってからは「お姑さんと同居? 冗談じゃないわよ」と疎まれ、どこにも安住の地が無いのは、現代も同じだと思います。
たとえ一人前に仕事をして、生計を支えても、どこか他人の家に住んでいるようで居心地が悪い。
多かれ少なかれ、女性は違和感を経験するものです。
それでも、結婚すれば、ひとまず地に足が着くのは確か。
いつまでも結論を引き延ばす彼にやきもきする女性は少なくないでしょう。
こちらの記事でも書いているように、『恋人』という立ち位置ほど不安なものはありません。