シャイン ラフマニノフ

少女と女の違いは何か

シャイン ラフマニノフ
「少女」と「女」の違いは何かと問われたら、今ならきっとこう答えるだろう。

人を愛する器があることだと。

時に争い、傷つきながらも、一歩、また一歩と歩み寄り、愛の高みに上り詰めていく。

人と触れあうことの、なんと優しく、また切ないことか。

第五章『指輪』のボツ原稿

女性らしさとは何か、と問われたら、『気遣い』と答えます。

相手の言動や表情から、すぐに相手の心情を察して、それにふさわしい行動や声かけができる。

トイレでも、キッチンでも、他に使う人のことを考えて、整理整頓ができる。

いわば、その場に必要な事を察知して、臨機応変にできる感性と行動力ですね。

飲み会で女性がお酌をするのは男女不平等だという声もありますが、どこの世界でも、飲み物や食べ物に気を遣うのは女性の方が長けています。

「自分が料理を作ったから」という理由もありますが、「この人、お酒よりコーヒーの方がいいんじゃないかしら」「○○さん、酢の物は好きじゃないみたい。代わりに、グリーンサラダでもお出ししようかしら」、等々、相手の心中を察して、相手が必要とするものを、ささっと提供する能力は、男性よりも女性の方がはるかに上です。

「女性だからそうしている(させられている)」のではなく、毎日の食事の支度を通して、相手の好みや腹具合を察することに慣れているからです。

その点では、飲食業に従事している男性も同じではないでしょうか。

その上に、女性の方がコミュニケーション能力に優れ、相手のふとした表情や言動から「お察しする」のが得意、という特性もあります。

一説によると、子育てに付随する能力の一つと言われています。(心理学の本によく登場する)

物言えぬ赤ん坊のニーズを的確に把握し、ミルク、おむつ交換など、必要なことを行うには、赤ん坊のちょっとした表情や泣き声から、「お察し」しなければなりません。

目の前で赤ん坊がギャアギャア泣いていても、夫には何が理由か分からないのは、日頃接する時間が圧倒的に短いのと、元々のコミュニケーション能力の違いもあると思います。

女性社会は、物心ついた時から、言葉ではなく、テレパシーでその場の空気を読み、目つきや仕草で相手にYESかNOを伝える能力を要求されます。

そんな中に何十年も身を置けば、相手の胸の内を読み取る能力が研ぎ澄まされるのは当たり前です。

力で序列が決まる男性社会と異なり、女性社会は、いかにボスに忖度するかで序列が決まりますから、「他人のことはどうでもいい」「そもそも相手が何を考えているのか分からない」みたいな鈍感チャンは、たちまちコミュニティから弾き出され、居場所を失ってしまうんですね。

ある意味、女性の「お察し」の能力は、社会で生き残る為のスキルであり、「お察し」の出来る人がいるから、強い人も、弱い人も、集団で何とかやっていけるのが現実だと思います。

ホームパーティーでも、宴会でも、「もっと焼き肉食べたいなぁ。でも口にしたら、欲張りと思われそう……」「どうしても酢の物が苦手。でも残したら、恨まれそう……」みたいな気弱な人でも、強者と同じように食事に参加できるのは、「お察し」の出来る人が上手に声をかけてくれるからですよ。

男性であれ、女性であれ、コミュニティから「お察し」が失われたら、弱肉強食の修羅場になると思います。

また、気遣いには「お察し」だけでなく、創意工夫も必要です。

どうしても酢の物に口がつけられないお客さんに「○○さん、酢の物、苦手なんっすかー? 私がせっかく作ったのに、ひどいー」とか言うのは特大級のNGですよね。

そういう時は、さりげに、「よかったらグリーンサラダでもお持ちしましょうか」とか、「そろそろデザートでもお持ちしましょうか」とか、相手にプレッシャーをかけない気遣いが必要です。

そうした機転は、その人自身の心の能力にも依りますが、経験による学びも非常に大きいです。

失敗や反省を繰り返しながら、「こういう人には、こういう言い方をしてはいけないのだな」「こういう場合は、こう言った方が喜ばれるのだな」という学びは、実戦の中にしかありません。

『あなたのコミュニケーション能力を十倍にする方法』みたいなノウハウを仕込んでも、実社会で出会う堅物、難物は、セオリー以上ですから、その場、その場で考えて、臨機応変にやるしかないのですよ。そして、その結果も千差万別。自分の思い通りに丸く収まることなど、まずありません。

でも、良きにつけ、悪きにつけ、場数を踏むことで、「自分マニュアル」もどんどん充実し、様々な場面で対応可能になります。

それが心の余裕になって態度に現れます。

同じ高校生でも、接客アルバイトしている子の方が、どこか考えが大人びて、他人にも寛容なところがある所以です。

そう考えれば、少女と女の違いは、『心の能力×学び』の差であって、化粧が上手とか、仕草がセクシーとかいうのは、あくまで結果に過ぎません。

『結果』というのは、「相手の失礼にならないように、好感度のもてるメイクと服装をする」「あまり堅苦しいのも周りがしんどいから、砕けた感じで場を盛り上げる」といった気遣いから、自然とその女性のスタイルが出来上がる、という意味です。

上記のボツ原稿は、ヒロインであるリズの心の呟きです。

彼女もまた、セクシーな見映えや、仕事の有能さが、大人の女性の証と思い込み、そうあろうと必死に背伸びしてきましたが、恋人を愛するようになって、初めて、その違いに気付きます。

恋人付き合いといっても、決して楽しいことばかりではなく、喧嘩もすれば、倦怠期もあります。

それでも逃げずに、正面から向かい合った結果が、大人の女性としての魅力ではないでしょうか。

第五章 指輪 Googleブックスで試し読み
4

深い絆で結ばれたヴァルターとリズは幸福の絶頂にあったが、ウェストフィリアの深海調査がきっかけでリズの父、アル・マクダエルが疑義で告発される。公聴会に証人として立ったヴァルターは中立公正の立場から発言し、人々に深い感銘を与えるが、悪魔の罠が忍び寄っていた。
Googleブックスで試し読みできます。

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海洋小説 《曙光》 MORGENROOD 試し読み
なぜあなたの恋は上手くいかないのか

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