ポーランドは今日から月曜日にかけて復活祭(イースター)の三連休です。
ところが、先日までかんかんに良いお天気だったのが、今日になって突然冷え込み、天気も小雨がパラつく曇り空。
今日からプチ旅行に出掛ける人もあったろうに、ちょっと憎らしい空模様ですね。
それでも、朝から家族全員、フォーマルに装い、祝福を受けるためのバスケット(パンやソーセージ、果物、イースターエッグなどが入っている)を手に教会へ急ぐ姿があちこちに見られ、改めてカトリック教が深く浸透するポーランドの暮らしについて思いを馳せずにいなかったもの。
私自身は、聖書やキリスト教文化も愛好するものの、教義としては仏教、どちらかと言えば禅宗に頼むところが多く、家族の付き合いでミサに参列しても、どこか腰が落ち着かないんですけども、それでも、カトリック教徒の皆さんに合わせてウンウンと頷きながら、「peace with you」の祈りの言葉(ミサの後半、この言葉と共に、その場に居合わせた見知らぬ者同士が握手を交わす。ちなみに映画『スター・ウォーズ』の「フォースとともにあれ(force with you)」は、これのパロディだと思われます)を捧げるのは、なかなか気持ちの良いものです。
日本では、「宗教」と言うと、いろんな悪しき事件があるせいか、さっと引いてしまう人も多いけれど、月に一度、いや年に一度でも、教会のように静謐で厳かな場所に家族そろって出掛け、神父さんの有り難いお話を聞き、隣人と握手を交わす習慣というのは、どこか人の心を和ませ、穏やかにするものですよ。
小さな子供連れも多いけど、不思議と、ミサの最中に騒ぎ出す子って、見かけないですからね。
子供を躾けるのは、母親一人の力より、案外、こうした地域の習慣、社会の環境によるものの方が大きいのではないかという気がします。
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ところで・・
日本も四月半ばになり、満開だった桜もぼちぼち散り始める頃ですね。
こちらも桜の木はたくさんありますが、ソメイヨシノのように、そよ風までピンク色に染まってしまうような華やかな桜は無いんです。
多くは、白。たまにピンクっぽいのもあるけれど、日本の桜とはずいぶん風情が違います。
その代わり、夏になるとサクランボが鈴なりで、散歩がてらサクランボを摘んで食べることができるんですよ。
もっとも、サワーチェリーが大半ですが。
他にも、リンゴやラズベリー、ブラックベリーが当たり前のように路傍や空き地に生っていて、摘んで歩くうちにお腹いっぱい……なんてことも。
よく、童話で、「お嬢ちゃん、どこへ行くの?」「森へイチゴ摘みに行くのよ」という場面がありますでしょ。
私は子供心に、「イチゴなんてビニールハウスでしか作れないのに、どこの、どんな森に行けば、イチゴがあるんだろう」なんて思ってましたけど、それはまさにポーランドのこと。
編みカゴをもって森に出掛け、帰ってくる頃にはブルーベリーやラズベリーでいっぱい……という童話のエピソード、こちらに来てから初めて体験しました。
グリムやアンデルセンの童話にやたら森が出てくるのも(日本は「山」が多いけど)、こういう訳だったんだなぁ、と、今では納得です。
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そう言えば、イエス・キリストの言葉に、『明日を思い煩うな』という名言がありますね。
何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことを思いわずらい、何を着ようかと自分
のからだのことを思いわずらうな。
命は食物にまさり、からだは着物にまさるからである。空の鳥を見るがよい。まくことも刈ることもせず、倉に取り入れることもしない。それな
のに、あなたがたの天の父は、彼らを養っていてくださる。
あなたがたは彼らよりも、はるかにすぐれた者ではないか。だから、明日のことを思いわずらうな。明日のことは明日自身が思いわずらうであろう。
一日の苦労は、その日一日だけで十分である。→ こちらに全文紹介されています。
こちらで、野に咲く果物(?)を摘んで歩いていると、いつもこの言葉を思い出すんです。
自然というのは本当に良くしたもので、お互いが捧げ、捧げられつつしながら、共存できるようになっているんですよね。(基本的には)
今日食べる物がない人も、ちょっと郊外に出れば、ラズベリーやブルーベリー、キノコなどをお腹いっぱい食べることができるし、野ウサギ、イノシシ、シカなどもたくさんいます。
夏は、森で採れるキノコやベリーを家計の足しにしている所帯も多いし。
まさに自然の恵みです。
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イエス・キリストの時代は、民衆ももっと貧しかった。
社会保障という言葉さえなかった。
でも、豊かな自然があった。
その恵みを信じなさい。
明日の心配に塞ぐことなく、大いなる力に身を委ねなさい。
そういう教えだったのかな──と思います。
「養う」という言葉は、「食べる」という肉体的行為だけでなく、心の糧も兼ねているのでしょうけど。
『明日のことを思い煩うな』
いい言葉ですよね。
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