カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー

現代に生きる『カラマーゾフな人々』

カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー
本記事は原卓也訳(新潮文庫)の『カラマーゾフの兄弟』のコラムを始めた時に書きました。
途中で訳文に付いていけなくなり、江川訳(集英社)に乗り換えています。
詳しくは、『『カラマーゾフの兄弟』江川卓訳をお探しの方へ(原卓也訳との比較あり)』をご参照ください。

ドストエフスキーといえば、「長い」「暗い」「くどい」「難解」、長編を読み慣れてない方にはひたすら眠くて退屈な作品でしかないと思います。

実際、人類史に残るクライムストーリー『罪と罰』も、シャーロック・ホームズのシリーズみたいに、あっと驚くトリックが登場するわけでもなければ、ジェイソン・ステイサムのようにお洒落な刑事が活躍するわけでもない。ひたすら数名の人物がクドクドクドクド喋りまくり、登場人物はたいてい貧乏人か鬱かヒステリーという、読んでるこっちの頭がおかしくなりそうな設定が大半ですから。

しかし、もう一歩踏み込んで、それぞれの台詞を咀嚼すれば、決して時代遅れの話ではないことが分かります。

『非凡人は、一線を踏み越えて、殺人さえ許される』という極端な思想をもつラスコーリニコフも、女にだらしなく、まともに育児もしない淫蕩父のフョードルも、繊細がゆえに自分の殻に閉じこもり、理屈に凝り固まる次男イワンも、姿形がクラシックなだけで、現代人と何ら変わりません。

ドストエフスキーがテーマとした社会や人間の本質は、テクノロジーが著しく進歩し、グローバル化の時代にあっても、『やりきれない現実』として私たちの身の回りに存在します。
大本となるキリスト教の思想も、現代の常識や価値観に置き換えれば、日本人の私たちにも解りやすいのではないでしょうか。

当サイトの『カラマーゾフ備忘録』は、その場その場で思い付いたことを書き留めたものです。

作品があまりに長大で、感想を一言で書くとなると、到底頭が追いつかないので、断片的に記すことにしました。

作品解説というよりは、現代に生きるカラマーゾフな人々と照らし合わせた一つの随想みたいに読んで頂けると有り難いです。

引用は、新潮社の原卓也・訳です。

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映画はこちら。見るからに悪そうや……。

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ドストエフスキー・マラソン

ドストエフスキーの長編を読破することを、私は『ドストエフスキー・マラソン』と呼んでいます。その名の通り、長い、長い、長い……。
カラマーゾフの兄弟に至っては、エピソードに次ぐエピソードで、なかなか話が進展しません。
で、カラマーゾフの父ちゃんはいつ死ぬの?」みたいな。

なまじストーリー展開を知っていると、「その独白はええから、はよう・・」と、ついつい読み飛ばしたくなりますが、全てがクライマックスへの伏線と思えば、そのような粗末をする気持ちにもなれず、結局、最後までじっくりお付き合いせずにいないのがドストエフスキーの魅力かもしれません。

ゆえに、ドストエフスキー・マラソン。

そう。

こちらも全力で伴走せねば、到底、読み終わらないし、理解もできない。読者にこれほど労力を強いる長編もまたとないでしょう。
同じ大長編でも『風と共に去りぬ』や『銀河英雄伝説』はぐいぐいいきますが。

私も途中で疲れ果て、ゴルゴ13や原哲夫の漫画に走ったりしてますが、頑張ってお付き合いしてますよ。ドストエフスキーの思想が最高に高められ、聖十字架教会みたいに結晶した大作ですから。

結局、アリョーシャを中心に据えた続編は書かれることなく、ドストエフスキーは病気でこの世を去りますが、きっと、この一作に全てに注ぎすぎて、命まで削ってしまったのでしょう。それだけの情熱と執念を感じる大作です。

一人の作家が命を削るようにして書いた作品だから、こちらもそれなりの覚悟をもって読んであげるのが正しい。

たとえ、それが終わりなき読書マラソンになろうと、幾多の誘惑にかられようと、一度は読む価値があるもの。それがドストエフスキーだと思います。

で、カラマーゾフの父ちゃんはいつ死ぬの? 「マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン」

イライラしながらでも読み進めると、いろんな発見があって面白いですよ。

原卓也訳のコラム

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江川訳はこちら(連載中・順不同・いずれ整理する)

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カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー
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