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寺山修司

  • 2019年8月6日

みんな目ざめたら、また一つの歌をうたいはじめるしかない

「ごらん、この西日のさしているドラム缶だって、その貨物だって、なかには血がたぎっている。その柱のなかでは血は立ったまま眠っている。みんな目ざめたら、また一つの歌をうたいはじめるしかない。いいかい、また一つの歌を歌いはじめるしかないんだ」戯曲『血は立ったまま眠っている』より人と社会の関わりについて。

  • 2019年8月6日

他人の首に剃刀をあてられるのは、他人に信用されているから

いまの時勢みたいに人が信用できなくなってるときに、他人の首にじゃりじゃりっと剃刀をあてる仕事をしていられるのは、自分が他人に信用されているからだと思ってるのさ。な、そうだろう。誰だって仇の剃刀に自分の喉をあずけっこねえやな。信用ってことが何より大事な世の中じゃねえか

  • 2019年8月6日

姉さんの年が、そのまま世界の年のような気がする

「僕とちがって姉さんは勇気があります。それに学問がある。十八なんだけど、ぼくには姉さんの年がそのまま世界の年のような気がするんだ。それにぼくと血がつながっているくせに詩人なんです」この世の中において、堂々と詩を書けるのは、『自分の心』というものをしっかり持ち続けられる強さに他ならないから。

  • 2019年8月6日

美しいものへのあこがれが、どのように幸福を汚してゆくか

『この世で一番きれいな人は誰ですか』という問いかけは、美意識ではなく、自己顕示であり、支配欲である。ゆえに、『この世で一番きれいな人は誰ですか』という問いかけは、絶え間ない競争や劣等感をもたらし、決して本人を幸せにしないのだ。見かけの美しさが運なら、自身の心の中に美を見出すのは知恵だから。

  • 2019年8月6日

インテリは回っているけど、前進しない

それは、たとえば進歩的文化人を連想させることができる。「まわっているが前進しない」からである。ふつう、私たちは輪が回転するとき、その分だけ距離を獲得し、前進すると思っているのだが、風車はまわってもまわっても前進せず、他からの攻撃に対してはかたくなに身を守ろうとする。

  • 2019年8月6日

懐かしのわが家(遺稿)

ぼくは不完全な死体として生まれ 何十年かかって 完全な死体となるのである そのときが来たら ぼくは思いあたるだろう 青森市浦町字橋本の小さな陽あたりのいい家の庭で 外に向かって育ちすぎた桜の木が 内部から成長をはじめるときが来たことを

  • 2019年8月6日

すでにできあがった権威であり、ゆるぎない古典だからである 『ベートーベン』

ベートーベンは楽聖である。私がベートーベンを好きになれないのは、野球のジャイアンツ、相撲の大鵬を好きになれないのに似ている。それは、すでにできあがった権威であり、ゆるぎない古典だからである。ダ・ダ・ダ・ダーン。「このように運命は戸を叩く」と […]