女子高生の夢の彼氏 ボズ・スキャッグス『ミス・サン』 『Lowdown』 ~70年代AORに酔う

「AOR」と聞いてビビっと来る人は、多分、私が夢見る夢子していた時分に、ビリー・ジョエルに憧れ、ブロンディやオリビア・ニュートン・ジョンの歌声に元気をもらい、FMラジオから毎日のように流れる「ホール&オーツ」のヒット曲に耳を傾けていた人だろう……と思う。

今はあまり話題になることもないけど、当時のAORは、とにかくお洒落だった。

「大人の恋」の世界だった。

AORを知らない人のためにWikiから引用すると

70年代から80年代初めにかけて、米国で「Audio-Oriented Rock」という言葉が使われた。 この「音を重視するロック(音志向ロック)」は、パンクムーブメントやHM/HRといった方向とは違い、歪みのない楽器音と怒鳴らない声が特徴で、TOTOやクリストファー・クロスに代表される。 「AOR(Audio-Oriented Rock)」として日本に伝わったが、あまり普及しなかったため、日本では「AOR」が何の略であるか知らない人がほとんどであった。

AORのシンガーとして挙げられているのが、「マイケル・マクドナルド」「ボビー・コールドウェル」「マイケル・フランクス」「クリストファー・クロス」……etc。

うわぁ~、もう名前を聞いただけで目の前が爽やかになります。

特に、ボビー・コールドウェルは、NHK-FMの究極の癒し番組『クロスオーバー・イレブン』の常連でしたね。

ナレーターの津嘉山 正種さん、「私の彼氏になって」状態です。

関連記事 → FMラジオ少女だった私 ~エアチェックとカセットテープとクロスオーバー・イレブン

中でも、私の一等お気に入りだったのがボズ・スキャッグス。

AOR界の草分けというか、代名詞のようなアーティストです。

ボズといえば、当時、究極のラブソングと言われた「We are all alone」が一番有名ですが、私のお薦めは何と言っても『Miss Sun(ミス・サン)』。日本でも、それなりにヒットしました。

世の中には聴いているだけで頭クラクラ、涙が出るほど胸がときめいて、その世界に引きずり込まれる曲がありますが、ボズの『ミス・サン』は、その最たるもの。

お洒落でロマンティックなメロディもさることながら、後半、ボズに代わってリードをつとめる女性ヴォーカルのソウルフルな歌声も溜め息もの。
確か、有名な女性歌手なんですね(当時のベスト盤のライナーにはそう書いてあった)

「なんでそんなに好きなの?」と首を傾げたくなる人もあるかもしれない。

でもね、あの高校生の時分によ。

生身の恋愛も、現実のオトコも、何も試したこともない頃によ。

これほどスウィートで、ロマンティックな男性の歌を聴いてご覧なさいよ。

周囲の、同い年の男とか、興味なくすよぉ。

彼氏は欲しいけど、生臭いのはイヤだわ

だから二次元ばかり ( *´艸`)

夜、寝る前に、目を閉じて『ミス・サン』を聴いてると、いつか私のところにも、背が高くて、ハンサムで、薔薇の花束をいっぱいに抱えて、トワイライトの海岸線にドライブに連れ出してくれるような素敵な彼氏が現れるんじゃないか――と夢見ていましたが、そんな彼氏はついに現れませんでした。

いわば、『ミス・サン』は、高校時代の『憧れの彼氏』、そのものだったんですね。

あー、あなたの太陽になりたい、みたいな。

歌詞も素敵です。恋人を「太陽」にたとえたラブソング。

Been thinkin' 'bout you all night
Guess you got me in your spell
But I think that I'll be alright
Even if I don't get well

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
but the moon got in the way
It won't be long before the morning
Has you back in my arms

I can still remember
What you told me with your eyes
One kiss
Now it's down to this
Guess it's time you realize

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in the way
It won't be long before the morning
Has you back in my arms
Has you back in my arms

[Instrumental Interlude]

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in the way
It won't be long before the morning
Has you back in my arms
In my arms
(Whoooooa)
Whooooa-hooo-hoooo
(Ooooooh, yeah)

Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in my way
It won't be long before the morning
Has you back (in my arms)

[Intrumental Interlude]

(One kiss is what I need)
(One kiss give it to me)
(It won't be long until the mornin')
(It won't be long until the mornin' has you)
(Won't be long until the mornin')
(Has you back in my arms)

(One kiss)
(I realize)
(One kiss I can see it in your eyes)

(Oh, it won't be long before the mornin')
(Has you back in my arms)

一晩中、君のことを思っている
まるで呪文にとらわれたよう
が、たとえ解き放たれることはなくても、僕はそれで構わない

ねえ、ミス・サン
言うべきことばが見つからない
君を抱きしめようとするけれど
月は遠くに沈み
君を腕の中に取り戻すには
朝まで時間がなくて

今も思い出す
君が眼差しで語ったこと
ただ一度の口づけ
今は遠い記憶だけれど
今こそ君が叶える時が来たと思わないか

ボズのヒット曲といえば、『Lowdown』も素敵な曲でした。
イントロのドラムソロで、すでに悩殺。
これも女子高生の時、何度、聴いたか分かりません・・・

AORはまたの名を「アダルト・コンテンポラリー」とも言うそうですが、ボズの音楽はまさにお洒落で都会的。
メロディが本当に綺麗です。

あと、意外と知られないけど、メロディラインが美しいのが『Simone (シモーヌ)』
ハートがブレイキングする失恋ソングです。
ボズさまの心を破るとは、けしからん (`・ω・´)

CDとSpotifyの紹介

ヒッツ!(エクスパンディッド・エディション) by ソニーミュージックエンタテインメント
 定価  ¥1,795
 中古 26点 & 新品  ¥256 から

ここで紹介している「ミス・サン」「ロウ・ダウン」に加えて「ジョジョ(ジョジョ立ちのジョジョじゃないよ)」「we are all alone」「スロー・ダンサー」など、AORを代表するヒット曲がずらり。ああ、これぞ70年代!なヒット・アルバムでございます。
今も時々来日しているらしいボズ。いつまでもお元気で、長生きして欲しい。

初回公開日 2008年11月30日

この記事を書いた人

石田 朋子のアバター 石田 朋子 サイト管理人

作家・文芸愛好家。80年代サブカルチャーの大ファン。普段はぼーっとしたおかあさんです。昭和の名作漫画はほとんど空で台詞が言えるほどの元祖ヲタ。車と猫が大好きな東欧在住。サイトでは作品紹介ではなく、作品を題材とした文芸コラムを掲載しています。

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