この世のことは人次第

人を動かさぬ限り何も変えられない ~この世のことは人次第

この世のことは人次第

ヴァルターは、海洋都市のいっそうの発展を願い、各機関に混在している観測データを一元管理し、便利な検索ポータルとして提供する『海洋情報ネットワーク』の構築を提案しますが、政府は重要性を理解せず、簡単に実現しそうにありません。

自身の無力を痛感するヴァルターに、カリスマ経営者のアルは次のようにアドバイスします。

お前が何をどう頑張ろうと、この世のことは人次第だ。
人を動かさぬ限り何も変えられない。

第三章 海洋情報ネットワーク』より

事業やグループワークにおいては、地位や資本や実績が物を言う世界に違いありませんが、では、どんな人でも力があればスタッフを思いのままに動かし、理想通りにプロジェクトを実現できるかといえば決してそうではありません。たとえ力で押し切っても、周りにやる気が無ければ、大したものは作れないでしょう。
逆に、資本や技術の乏しい中で始めても、皆が熱意をもって取り組み、一つ一つ積み上げれば、だんだん力もつくし、思いがけない協力者も現れるかもしれません。

結局は、『人』。

自分に何も無ければ、周りの人間を動かせ、とアルはアドバイスしているのです。

「人を動かす」とは、心を動かすこと。

心を動かすには、どうしたらいいのだろう。

それを考えるのが、リーダーシップであり、マネジメントであり、創意工夫であり、仕事の根幹だと思います。

カネやモノの流れだけ追うのが仕事ではない。

小手先のテクニックや褒め言葉ごときで人の心は動かせません。

最終的には人間力が問われるのは、どの分野、どの階層でも同じでしょう。

レベルの高い人と、レベルの高い仕事をしようと思ったら、技術より信用が問われるのは言うまでもありません。

出会いの場で、ヴァルターは、アルが生まれながらに地位や財産や名声や、ありとあらゆるものを持っていた事について言及しますが(アルも大会社の跡取りとして生まれてきたので)、いくつもの現場を経験して、アルが痛感したのは「この世のことは人次第」ということです。

だからこそ、「自分に地位や資本さえあれば」と考えてしまう若いヴァルターに、上記のようにアドバイスするのです。

この台詞は最終的にボツにしましたが、同じような主旨の台詞は随所に出てきます。

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