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ムーミンの名言集 ~トーベ・ヤンソンと北欧の哲学~

2020 3/05

日本ではお子様アニメのイメージが強いですが、トーベ・ヤンソンの原作は、北欧的な哲学をベースにした、大人向けの作品です。

目次

ムーミン名言集

「この人は怒ることもできないんだわ。それがあんたの悪いとこよ。“たたかう”ってことを覚えないうちは、あんたには自分の顔はもてません」
――ミイ

幼少時より意思表示の重要性を教えられる海外では、「No」も立派な意思表示の一つ。

嫌なことをされたら、へらへら笑って誤魔化すのではなく、「No」と言って、怒りを露わにすることも自己表現のうちなんですね。

怒ってない振りをして、その場を無難にやり過ごすのは、一見、楽ですが、本当はイヤなのに、イヤじゃない振りをしていれば、どんどん自分の気持ちを見失うし、相手にも何も伝わりません。たとえ喧嘩=”たたかい”になっても、意思表示すべという教えです。意思=「自分の顔」ですね。

「彗星って、ほんとにひとりぼっちでさびしいだろうなあ……」
―― ムーミン

「うん、そうだよ。人間も、あんなにこわがられるようになると、
あんなにひとりぼちになってしまうのさ」 ――スナフキン

これは分かりやすい喩えですね。

いつも何かに腹を立てて、ぷりぷり、いらいら、毒気を撒き散らしていると、人は怖がって近付かないし、また、偉そうに他人を見下しても、人は寄りつかない、という喩えです。

「そら、海はときにはきげんがよく、ときにはきげんがわるいが、それがどうしてなのか、だれにもわからないだろ。

わたしたちには、水の表面だけしか見えないからね。

ところがもし、わしたちが海が好きなら、そんなことはどうでもよくなるんだ。

あばたもえくぼってわけさ……」
―― ムーミンパパ

相手の機嫌や態度の如何によらず、いつも変わらぬ気持ちで見守るのが本当の愛。

「なんでも自分のものにして、もって帰ろうとすると、むずかしいものなんだよ。

ぼくは、見るだけにしてるんだ。

そして、立ち去る時には、それを頭の中へしまっておくのさ。

ぼくはそれで、かばんを持ち歩くよりも、ずっと楽しいね」
――スナフキン

旅行に限らず、人は何かを気に入ると、人でも、モノでも、自分の懐に入れて、いつまでも自分のものにしたいと願うもの。

しかし、一つ何かを持てば、失うことを恐れ、一つ何かを得れば、また他の何かを求め、所有欲にはきりがありません。

本当に大切に思うなら、そっと見つめるだけ。

支配したいとか、所有したいとか、願わないことが、大切なものを心に持ち続ける秘訣です。

「どうしてそれを、冬のあいだにいってくれなかったの。
そうしたらぼくは、きっと元気になれたろうになあ。
……ぼくのさびしがっていたのが、わからなかったの?」
――ムーミン

「どんなことでも、自分で見つけ出さなきゃいけないものよ。
そうして自分ひとりで、それをのりこえるんだわ」
――おしゃまさん

辛い時、淋しい時、人はすぐに救いを求めますが、いつでも相手が自分の苦しみを理解してくれるわけでもなければ、正しい答えを与えてくれるわけでもありません。

それよりも、自分の中に沈潜して、ひたすら自分と向き合い、考えを深めることが大事です。

「自分ひとりで乗り越える」というのは、努力の言葉に聞こえますが、突き詰めれば、何が正しいかは、自分自身が一番よく知っているはず……だから、自分の心の声に、じっと耳を傾けてみよう、という教えです。

「あたらしい村づくりというのは、平和にしずかにくらすことなんだ。
……やれ、これはだいじなことだとか、あれをやらなければいけないとか、
なにをいついつまでにやれとか、うるさいことをいうものはいけないんだ。
すべて、なるがままにまかせるというわけさ」
―― ヨクサル

ああだ、こうだと、意見を出し合ったところで、いつでも正しい判断が得られるわけではないし、めいめいが好き勝手に意見を口にするが為に、かえって混乱し、まとまるものも、まとまらない事もあります。

そんな時は、事の成り行きに任せてみないか、という教え。

「つめたい水がすきなのは、すばらしいでしょうね」
―― ムーミントロール

「僕の知っているなかで、これが一番よいものなんだ。
これらは、よけいな考えや、くよくよした思いを、きれいに追い出してしまうんだ。
たしかに、家にこもってじっとしているほど、悪いことはないね」
―― ヘムレン

人間、一人きりで、じっとしていると、ろくなことを考えない――というのは本当です。

「きれいにおそうじをしてくれて、ありがとう」
―― 11月のヘムレン

「どういたしまして。わたし、しないではいられなかったんですもの。
あなただって、私と同じように、したくてたまらないことをすればいいんだわ」
―― 11月のフィヨリンカ

ここでいう「したくてたまらないこと」というのは、「自分の好き勝手にする」という意味ではなく、「相手の為に、何かしたい」と思った時、思い切って実行に移す・・という風に解釈すると分かりやすいです。

目の前のおばあさんに、バスの座席を譲ってあげたい……でも、周りにジロジロ見られたり、相手に断られたりしたらどうしよう……なんて躊躇することがありますね。

そんな時は、思い切って、親切を実行してみたら、意外と相手も喜んでくれて、自分も誇らしい気持ちになるかもしれない。

善意は遠慮せずに、思い切ってやってみましょう、という教えです。

*

ちなみに私が好きな言葉は、ムーミン絵葉書に書かれていた「世界には素晴らしいことがたくさんある。でも、その素晴らしいことに出会えるのは、それにふさわしい人だけなんだ」というムーミンパパの言葉です。

どんなダイヤの原石も、その価値に気づかなければ、ただの石ころに過ぎません。

いい出会いを求める人はたくさんありますが、「いい出会い」とは、その価値が分かる人にだけ、分かるものなのです。

関連アイテム

 ムーミン谷の名言集 (単行本)
 著者  トーベ・ヤンソン (著), ユッカ・パルッキネン (編集), Tove Jansson (原著), 渡部 翠 (翻訳)
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ム-ミン谷から吹いてくる、言葉のそよ風!世界中で愛されているム-ミン童話の中から、身につまされたり、ふきだしたり、ちょっと反論してみたくなるような名言の数々を紹介。すべてのム-ミンファンに。

私の乏しい記憶力によれば、この本からの抜粋です。(図書館で借りて読んだ)
違ってたらごめんなさい。

哲学「で」何がわかるか、という問題を、ムーミンのストーリーを題材に追求した哲学の入門書。全体は8章、各章は3節からなり、それぞれまず哲学が今日まで考察してきたテーマを1つとりあげ概説し、次にそのテーマを具現化するムーミンのストーリーを紹介し、最後に、著者自身がそのテーマに即して展開する「哲学」によって、常識的な理解にとどまらない独自のストーリー解釈を呈示する。

8つのエピソードが織りなす西洋哲学の旅。単なる子供向けマンガではない、奥の深いムーミン物語を新鮮な気持ちで味わうための本。

歳から99歳までの物語 あなたに贈るムーミン童話の謎解き事典。ムーミン童話を読み解く鍵がここにある

● ムーミンはどのくらいの大きさ?
● ニョロニョロは、なにがこわい?……など。

意外と知られていないキャラの素顔を詳しく解説。初めての人にもおすすめ。

子供時代のヒーローといえばスナフキン。
いぶし銀のような魅力は幼稚園児のハートにもズキュンでした。
他にもムーミンパパの名言とか、各キャラクターごとにあるみたいです。

長い尾をひいた彗星が地球にむかってくるというのでムーミン谷は大さわぎ。ムーミントロールは仲よしのスニフと遠くの天文台に彗星を調べに出発し、スナフキンや可憐なスノークのお嬢さんと友達になるが、やがて火の玉のような彗星が……。国際アンデルセン大賞受賞作家ヤンソンの愛着深いファンタジー

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