涙が出るほどロマンティックなピアノ・インストゥルメンタル『Mystic River』 ENZO

数あるピアノ・インストゥルメンタルの中でも、メランコリックで透明感あふれる曲調が印象的なENZO

ところが、このアーティストの情報はどこを探しても見当たらない。

同じENZOでも、カンツォーネ歌手や作曲家の情報なら見つかるが、この曲を手がけたENZOの情報だけは皆無なのだ。

謎のピアニスト、ENZO。

どこの国のアーティストかも分からない。

存在そのものがミステリアスで、美しい。

その極致が『Mystic River』だ。

まるで紫に煙る、早朝の河口のよう。

深い霧の中、一人、静かに、時の大河をわたる。

その先にあるものが、孤独であれ、楽園であれ、恐れずに行こう。

ただ一つの愛を道連れに

私が私になる以前 

まだ名前も無かった頃の 

魂の海へ。

*

家路につく最終バスの車窓から、優しい家の円居が見える。

深い夜の中に、一つ、二つ。

あれは幼子の笑い声。

あれは淋しい少女の祈り。

それぞれの明かりに人の願いがあり、暮らしがある。

誰に届かなくても 月明かりの下 人はみな尊い。

泣き、笑い、精一杯、生きていく。

だから私も帰ろう。待つ人のある家に。

カタコトと田舎道を小さなバスに揺られながら。

カーテンの隙間から月が見ている
ソファ横たわる私の姿を
涙に濡れた淋しい寝顔を

何をそんなに見つめることがあるの?
私は今日を生きるのに精一杯……

私もお日様になりたかった
明るく世界を照らす昼の陽光に

だけど私は凍てつく夜の影
自らは輝けない星
光を投げかけられねば生きてゆかれない

カーテンの隙間から月が見ている
疲れ切った私の姿を
夢も忘れた寝顔を

とにかくENZOさんのピアノは美しいのです。

ENZOさん。いったい、あなたは誰?

なんと、この方、ディスコグラフィーもバイオグラフィーもほとんど情報が出てこない!
Googleで検索しても、ここまでヒットしないアーティストも珍しいのでは?

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この記事を書いた人

石田 朋子のアバター 石田 朋子 サイト管理人

作家・文芸愛好家。80年代サブカルチャーの大ファン。普段はぼーっとしたおかあさんです。昭和の名作漫画はほとんど空で台詞が言えるほどの元祖ヲタ。車と猫が大好きな東欧在住。サイトでは作品紹介ではなく、作品を題材とした文芸コラムを掲載しています。

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