( *´艸`) スネークが好きで好きでたまらない人のレビュー
2009/06/15 wrote;
私のこっぱずかしい思い出『ニューヨーク1997』のディレクターズカット映像がパソコンの隅からひょっこり出てきたので、記事後方に貼っておきます。
そのうちジェラール・バトラー主演によるリメイク版も公開されるみたいで、この記事へのアクセスもじわじわ増えてきています。うふふ♪
※ 2018年現在、リメイクには至っていません。
見に来て下さった方、ありがとう。
スネークのファンが増えれば、私も嬉しい。
「どれぐらい好きだったか」と言うと、そうねえ、「寝ても覚めても、スネーク」っ感じかな(笑)
そんなことは、当時、たった一人の映画友達にしか話せなかったけれど。
リメイク版は、きっとCGもアクションもバリバリで、高級感あふれるハリウッド大作なんでしょうね。
でもね。
私は、ずっと、やさぐれた海賊みたいなスネークが好きだと思う。
ハリボテみたいな飛行機とか、発砲スチロールの壁とか、どこのオモチャ屋で買ったのかと思うようなマシンガンとか、
「この発信器の操作の仕方を知っているのはスネークだけです!!」
とか言いつつ、なんだ、腕時計のフタを開けてるだけじゃねーか、みたいな、しょーもないトリックとか。
すべてが安っぽいけど、『映画ってのはね、お金をかけりゃいいってもんじゃないの』みたいなジョン・カーペンター監督の哲学が感じられるから。
スネークの決め台詞「Call me Snake」は、映画史に残るフレーズですよ。
↓ 一応、特殊部隊出身。 『Black Light』。勲章ももらってる。
↓ 私でも開けられそうな最新式の発信器^^;
↓ 命の残り時間を刻む時計。 Apple Watch マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆ チンチン
映画『ニューヨーク1997』への想い : 届かなかった英文ファンレター
「B級映画の金字塔」として、今なおカルトな人気を誇るジョン・カーペンター監督の近未来SF『ニューヨーク1997(Escape from New York)』がリメイクされるらしい。
2018年注釈: 1981年の公開当時は”近未来”と言われていた
しかも主演は、This is Sparta ! のスパルタ王=ジェラール・バトラーとか。
ジェラールさまと言えば、ミュージカル映画『オペラ座の怪人』で世の女性に溜息をつかせ、古代ギリシャ史に残るテルモピュライの戦いをベースにしたアクション映画『300 〈スリーハンドレッド〉』では男臭いスパルタ王を演じ、今後が注目される俳優の一人である。
そんなマッチョでセクシーなお方が、映画史上に残るダーティー・ヒーロー『スネーク・プリスキン』を演じるとあっては、私も黙過できない。
『スネーク』に関しては、高校時代から筋金入りのファンだからだ。
この『ニューヨーク1997』、どんな作品かといえば..
1988年、アメリカはニューヨーク・マンハッタン島を15メートルのコンクリート壁で囲み、終身刑の重犯罪者を集めアメリカ最大の刑務所として、強力な監視下においていた。
しかし、1997年、NY上空で大統領専用機がテロリストにハイジャックされ、救命ポッドから脱出した大統領はNYを支配するデュークに捕らえられてしまう。
大統領の命と引き換えに囚人達の解放を要求するデュークに対し、警察本部長のボブ・ホークは、元特殊部隊員で、犯罪の帝王『スネーク』を単身潜入させる。
スネークに与えられた制限時間は、24時間。
それを過ぎると、頸動脈に埋め込まれたカプセル弾が爆発し、命で贖うことになる。
スネークは大統領を見つけ出し、凶悪犯のうごめくNYから脱出することができるのか――。
映画の魅力は、なんといっても、カート・ラッセル演じる犯罪の帝王スネークである。
私はゲームをやらないので、実際に見たことはないのだが、テレビゲーム『メタルギア』の登場人物ソリッド・スネークのモデルとも言われている。
ゲームデザイナーの小島秀夫さんは、この映画の大ファンなのだそうだ。
くぅ・・分かるなあ。
ワイルドな長髪。
思わず頬ずりしたくなるセクシーな無精髭に左目のアイパッチ。
「犯罪の帝王」という割には、案外、どんくさくて、すぐ敵の罠にかかってしまう。
いったい、どんな罪を犯して、帝王と呼ばれるに至ったのか、その罪状がカエルの口に爆竹を突っ込んで吹っ飛ばしたとか(うちの従兄がやってた)、カーネル・サンダースの顔に落書きとかだったら、怒るぞ、コラ、みたいな偉大さだ。
そのくせ情が深くて、相棒のブレインを殺された情婦のマギーが、自分も殺されるのを覚悟でスネークに復讐のピストルを求めた時、ちらりと見せる微笑みがなんとも言えず、素敵で、温かい。
ああ、この微笑みに惹かれて、高校1年生だった私は、映画誌『ロードショー』に掲載されていた所属事務所のアドレスを頼りに、『英文メールの書き方』なんてテキストを見ながら、スネークの似顔絵入りファンレターをエアメールで書き送ったほど。ほんと愛してました。
最愛のブレインが事故死し、スネークに銃を求めるマギー。
一瞬、「命を無駄にするな、オレと一緒に来い」と言いたげにするのだけども、マギーの心中を察し、彼女の望み通り銃を手渡すスネーク。
この悼むような微笑みが好きで、ファンレターを書いたんだ。遠い昔の話です。
すっごく好きだったの、マジで。
当然のことながら返事は来なかったけど、私がドヤ顔で海外生活ができるのも、女子高生の足らない頭で必死に英文メールを書いた経験があるからだと思ってる。
そう、人生で初めて英語でコミュニケーションを取ろうとした相手は、スネーク・プリスケン=カート・ラッセルなんですよね。
今はFacebookのファンページやオフィシャルサイトの掲示板に気軽に書き込みできるからいいけど、私の時代はエアメールだったんだよ、エアメール !! ( ´ー`)y-~~
私が「好き、好き」と思い詰めていた頃は、誰とも話が合わなくて、
「もしかして、この映画がイイなんて思っているのは、世界中に私一人だけ??」
なんて淋しい思いもしてきたが、ITの発達と共に、あちこちで1997関連の記事を目にするようになってから、私と同じように「好き」と思う人がいっぱいいることが分かって、ようやく想いが報われた気分。
私が思い描いていたよりずっと、カルトな人気者だったのだ。
↓あまり強そうには見えないアクション・シーン。チューしてるのは元妻シーズン・ヒューブリー。この後、ゴールディ・ホーンと再婚。そんなことだけ、よく憶えています。
『ニューヨーク1997』の見所 : 発泡スチロールとシンセサイザー一台
それにしても、『ニューヨーク1997』はおちゃめなB級映画である。
年に一、二度しか映画を見ない一般人の目にも 金がかかってない ということが分かるから。
有名なテーマ曲、「ちゃ~、ちゃらら~、ちゃちゃ、ちゃらっちゃっちゃー、ちゃらちゃっちゃー」。
作曲は、監督のカーペンター自身。
演奏もシンセサイザー1台でこなしたと、当時の映画雑誌に書いてあった。
次に、スネークの搭乗する紙ヒコーキのようなグライダー。
大統領救出に向かう割には、設備がチャチだし、そもそもこの程度で空を飛べるのか。
政府の特命を帯びて、颯爽と機内に乗り込むスネークが、まるでデパートの屋上にある100円マシーンに乗る子供のように見えてしまうのは私だけではあるまい。
ちなみに、廃墟となったニューヨーク摩天楼のグラフィックを手がけているのは、当時、まだ無名だったジェームズ・キャメロンである。
銃で壁を撃ち抜き、体当たりで突き破るシーンも同様。
発砲スチロールみたいなのが見え見えだ。
『風雲たけし城』じゃあるまいし、「犯罪の帝王」のアクションなんだから、もうちょっと強そうに見せて欲しい。
↓ 犯罪の帝王という割には、銃の構え方がイマイチ。カートらしくていいけど。
↓ 機関銃で穴が開くんだが、発泡スチロール感がなんとも……
↓ 体当たりで壁を突き破るんだが、これなら小学生でもできそう。まるで風雲たけし城のセットみたい(´。`)
↓ 行動も行き当たりばったりで、すぐ捕まっちゃうし……。
こんなトホホなアクションが随所にちりばめられても、なおかつ「スネークは犯罪の帝王」と言い切ってしまう押しの強さ。
それでも『ニューヨーク1997』は面白い。
スネーク・プリスキンというお茶目な犯罪の帝王はもちろん、ちょっぴりスネークに同情的な警察部長(リー・ヴァン・クリーフは西部劇の名優)、凶悪な犯罪者社会をのらりくらりと渡って生きる流しのタクシー・ドライバー(アーネスト・ボーグナインも実力派の名優)、現実的で頭の切れる情婦マギー(エイドリアン・バーボーはカーペンター監督の元嫁さん)、これも間の抜けた闇の帝王デューク(キャデラックにシャンデリアを付けて走るアイデアがよろしい)と、みな味があって、セットの安っぽさを忘れさせてくれる。
ラスト、命の残り時間をかけたカーチェイスやデュークとの死闘もハラハラするし、大統領へのしっぺ返しも反権力的でよろしい。やはりアンチヒーローはこうでなくっちゃ、という、非常にエッジのきいたエンディングだ。
近々(2009年の時点)、旬の俳優ジェラール・バトラーを配してリメイクされるとの話だが、果たして、本家のカルト性に打ち勝てるかどうか。
ジェラール・バトラーのことだから、アクションも一流、セットも一流、ダークでスタイリッシュな犯罪者の町ニューヨークが描かれるのだろうけど、カート・ラッセルが演じた、あのテキトーにお肉のついた、お茶目な犯罪者の帝王にカルトな愛を捧げてきた元女子高生の私としては、あまりに格好いいアンチヒーローを演じて欲しくない、というのが正直な気持ち。なぜって、スネークの魅力は腕っ節の強さではなく、内面は情に溢れて、正義感が強い点にあるから。
ジェラール・バトラーも格好いいけど、映画史に残る決め台詞、『Call me Snake』は、やはりカート・ラッセルのものであって欲しい。
日本語版では、青野武さんが吹き替えを担当して、ほんと、はまり役でした。
サウンドトラックもいける : Spotifyのリンク
全曲、ジョン・カーペンターがシンセサイザーで作曲したという本作のサウンドトラック。ボストン交響楽団&ジョン・ウィリアムズ総統閣下みたいに派手さはないが(当たり前ダ)手作り感満開で、一度聞いたら忘れられない。
特にオープニングの、デッ・デッ・デ・デ・デ ちゃーん、ちゃららーん 。。。 マニアにとっては一応名曲なんスよ。
シャンデリア付きのキャデラックで『デューク』が現れる場面の曲。ビートの利いたチャカポコ感が秀逸。
こんなのが監督一人で作れるんだなーと思うと感慨深い。
橋の上のカーチェイスで流れる曲。チャカポコ感がたまらん。
この場面だけは、高校生の私にもヒアリングできて、めちゃくちゃ嬉しかったです♥
I'm too tired. maybe later... (疲れてる。後にしてくれ)
I'd like to offer you a job. We'd make one hell of a team. (オレと組まないか。いいチームになる)
The name's is Prissken.. (プリスキンと呼べ)
いろいろあって、スネークの黒歴史は捨てたらしい。
全曲ききたい人はこちらからどうぞ。
https://open.spotify.com/album/3vRFag7W8G9SY1sbeEMU90
造形もオチもよかった。
『ニューヨーク1997』に関連するCD・DVD
ニューヨーク1997 [Blu-ray] (Blu-ray)
Actors: カート・ラッセル (出演), リー・ヴァン・クリーフ (出演), アイザック・ヘイズ (出演), ジョン・カーペンター (監督)
Director:
Format: 色, ワイドスクリーン
Language:
Subtitles:
Studio: KADOKAWA / 角川書店
Running Time: minutes
List Price: ¥5,280
Price: ¥4,200
17 offers available from ¥4,200
2017年に青野武の吹替版が収録されたブルーレイが再版になりましたね。
青野さんの吹替、最高ですよ。スネークのイメージにぴったりはまっています。
しかし、特典に幻のディレクターズカットが収録されてないのが痛い。
ディレクターズカットされたのは、冒頭、「連邦銀行に強盗に入る」という場面です。
しかし、連邦銀行に不法侵入する割には作戦がまったく練られておらず、まるで中学生の万引きのよう。
おまけに暢気というか、無防備というか、地下鉄で逃走して、ぐうぐう居眠りするな、っちゅうの。
これでも『犯罪の帝王』だそうですよ……(泣)
しかし、物語中盤、いよいよNYを脱出するにあたって、スネークがデュークの知恵袋であるブレイン(本名はハロルド)を訪れた時、
「久しぶりだな、ハロルド。自分ひとりで逃げやがって、あの後、ボブがどうなったと思う? ん?」
と凄むシーンで、
『ボブって誰だ?』
と首をひねった人は多いはず。
長い間、謎でしたが、ようやく解けました。。
撮影はされていたけれど、公開前にディレクターズ・カットされていたんですね。
いやいや、カットしたのは正解かも。
ストーリー的に、そこまで必然性は感じないし、どう見ても、中学生の万引きみたいだもん^^;
ちなみに、公開当時、劇場で販売されていたパンフレットには、銀行らしい建物から逃走する3人の男のショットが掲載されていました。
おそらく、この3人が、スネーク、ブレイン(ハロルド)、ボブだったののでしょう。
このワンシーンも、撮影はされたけれど、公開前にカットされたと思われます。
見たかったなぁ・・
*
と、思っていたら、YouTubeにUPされていました。
中学生の万引きにしか見えない、銀行強盗のディレクターズ・カット。
ここにコソっと置いておきます。enjoy !
それにしても、スネークは大変なものを盗んでいきました。それは元女子高生の私の【はあと】です♥
スネーク・プリスキン ❤ トリヴィア
わたくし、高校生の時分、京都の有名な洋書専門店で、ノベライズ版『Escape from New York』を購入し、学生向けの英和辞典片手に二日がかりで読破したツワモノです。
今もAmazonで購入可能だけど、『中古商品1点¥ 14,211より』ですって!!
Escape from New York by Mike McQuay
ちなみに著者のMcQuayさんはアイザック・アシモフの翻訳本などを手がけておられるとのこと。
このノベライズ本によると、
スネーク・プリスキンの本名は、【 S.D.Plissken 】(名前の雰囲気からして、セルゲイ・ドミートリエヴィチ・プリスキン)←勝手にロシア名。
Special Forces Unit(特殊部隊) 【 Black Light 】の Lieutenant(中尉)
これは映画の中でもボブ・ホークが口頭で説明しています。
ノベライズ版では、どうしてスネークが特殊部隊の中尉から悪の道に走ったか……という経緯が詳細に描かれていて(今はもう忘れたけども)、その最大の理由が、共産圏との戦争だったんですよ、確か。
だから、エンディング、大統領の高圧的な態度に対して痛烈なしっぺ返しをする理由がよく分かるのです。
ちなみに、私がこのノベライズ版で学んだ最大の英単語は、Molotov Cocktail = モロトフ・カクテル (火炎瓶、煙幕弾 )
スネークが特殊部隊の中尉としてシベリアで闘っていた頃、テロリストの放つモロトフ・カクテルに苦しめられ……みたいな記述があったように記憶しています。(あるいは、スネークがモロトフ・カクテルを手作りして反撃していたか、どちらか)
しかし、モロトフ・カクテルなんて英単語は、学生向けの辞書には載ってない。
前後の脈絡から「火炎瓶のこと?」と想像はついたけれども、実際に意味を知ったのは大人になってからでした。
意味を知った時は嬉しかった。
映画の中でも、アーネスト・ボーグナイン演じるタクシー・ドライバーが町のドブネズミ(ストリートギャングの意味)にモロトフ・カクテルを投げつける場面がありますが、モロトフ・カクテル、シベリア、プリスキンの三者には深い関わりがあるんですよね。
こちらはファンによるリメイク版予告篇。まあ、こんな感じになるんでしょうか。私にはカート・ラッセル以外のスネークは考えられないけれど。
ジェラルド・バトラーのスネークはこんな感じ・・えらい垢抜けてますな。
引用元:不明 スミマセン
リライト 2009年6月15日