人が愛し合うのに、最速・最短の道はありません。
これだけは、様々な心の体験を通して、自分で学び、会得するしかないからです。
二人の気持ちが愛に至るには、時間もかかれば、手間もかかります。
苦しいことも避けては通れません。
自己中心的な「好き好き」という気持ちから、我欲を超えて相手を「愛おしい」と思えるようになるまで、喧嘩もすれば、自信もなくします。
一つ問題を乗り越えたと思ったら、また新たな問題が出現して、その過程は長い山道を歩くが如くです。
自己を省みることや、相手の立場で考えることを抜きにして、心地良いこと、楽しいことばかり追い求めれば、誰と付き合っても長続きしなくて当たり前なのです。
メルマガ『恋の話 女の話』 2004年12月11日
昨今は、交際を申し込むのも、別れる時も、メッセンジャーで一言。中には、レスポンスさえしないケースもあり、相手のことがイヤになったらフェードアウトするのが一般的になっています。
確かに、相手にいろいろ事情を説明して、もつれたり、恨まれたり、面倒はイヤでしょう。
自分がワルモノになりたくないという打算もあると思います。
しかし、人と関わるということは、好き嫌いにかかわらず、相手に責任を持つことでもありますから、たとえ気持ちが冷めて、別れるにしても、何かしら事情を説明する必要はあると思うんですね。無視というのは、相手を蔑ろにすることであり、一番やってはならないことだと。
こちらからフェードアウトして、相手がそのまま引き下がってくれたら、自分は楽かもしれませんが、そういうことを繰り返していると、どんどん人間が偏狭になって、周りにも恨まれるようになると思います。
どれほど自分も相手も嫌な思いをすることになっても、「説明責任を果たす」=相手に対する責任感を欠いて、信頼関係の構築など成り立ちません。
ゆえに、交際を始める時はノリノリだけど、相手のことがイヤになったら、フェードアウトする、そしてすぐに次を探す……ということを繰り返していると、恋愛時代はいいですが、仕事では、まず通用しないし、結婚生活も上手くはいかないですよね。そのまま育児に突入すれば、すぐに子供のことがイヤになって、親子関係もおかしくなると思いますよ。
たかが恋愛と言いますが、そこで培った人間関係の能力は、社会生活や育児にも繋がる、非常に大事なものです。
たとえ学生時代の軽い恋でも、終わり方が最悪でも、一応、人として責任をもって向き合った経験のある人は強いです。
あなたに「さよなら」を言ってくれる男性は優しいにも書いているように、面倒なことでも、相手に対してきちんと責任の果たせる人こそ、本物の誠実だし、そういう人を選ぶと、少なくとも、粗末に扱われることはないです。