Novellaについて
『Novella 小説と文芸コラム』は1998年から書きためた映画・音楽・書籍のレビュー、エッセー&コラムのアーカイブです。
現在は創作をメインにしている為、新規記事は作成していません。サイト案内と運営者情報は『About』をご参照下さい。
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文学・思想・神話建築の理想と現実――あるいは自分との闘い 安藤忠雄『連戦連敗』より
理想主義とはかけ離れた、非常にドロドロとした現実的な闘いですが、建築とは本来、社会を相手にしなければならない、きわめて泥臭い部分を内包する仕事です。画家や彫刻家といった芸術家と違い、一人で仕事を完遂し得ないのです。そして、常に、クライアントと施工者という他者を介してしか実現し得ない仕事でもある。さまざまなしがらみの中での闘いなのです。 -
ギリシャ神話&キリスト教上昇する生 クピド(エロス)とヴィーナス(アフロディーテ)
海の泡から生まれた美と愛の女神ヴィーナスと息子エロス。エロスはまた上昇する生の象徴でもあり、所有と欲望の愛に突き動かされていきます。ロマンティックなギリシャ神話の世界を西洋の名画と共に綴るエッセー。 -
寺山修司どんな偉大な作家も半分しか書くことはできない ~寺山修司の論談より
心の中、あるいは頭の片隅に、何かアイデアを抱えていても、「恥ずかしいから」「まだ中途だから」「素人だから」「時間がないから」、等々、様々な理由で、表明しない人は少なくないと思います。しかし、誰にも言わず、形にもしなかったら、それは最初か... -
エッセイ&コラム情報の探し方・活かし方『情報の海から運命の一滴を拾い出す』
好きな物や関心のあることだけが有為な情報ではない。ふと目に入る広告や新聞の片隅の記事も、心を傾けてみれば、いろんな気付きがある。情報の海から『運命の一滴』を拾い出すのは奇跡のようなもの。探し求めれば、いつかは巡り会うことができる。 -
エッセイ&コラム1+1=2ではない ~人文軽視の末路
私は、1+1=2だとずっと思ってたし、またそれが当たり前 だと教えられてきた。 だから何事も「1+1=2」という定規でしか物事を測れなかった。 しかし1+1=2ではない。 「2」かもしれないが、「2」である必要はどこにもないし、「3」でも「... -
漫画・アニメ「非実在青少年」アニメ・マンガ表現規制 と 竹宮恵子「風と木の詩」
「性」というものを考える時、大人はとかく医学的、あるいは倫理的立場から論じようとするけれど、本質はもっと人間くさく、生命の本能に根ざした凄まじい欲求であり、「性への理解」が目指すゴールは「真実の愛」である。「避妊」や「防犯」ではない。 -
エッセイ&コラム漫画家の育成に必要な「場」とは ~中野晴行の「まんがのしくみ」より
マンガクリエーターを育てるなら、まず新人たちを育てるための媒体をつくることが重要だ。ebookjapanで連載中のコラム『まんがのソムリエ』から。藤子・F・不二雄や藤子不二雄A 、石ノ森章太郎らが切磋琢磨した伝説の『トキワ荘』をモチーフに現代の新人漫画家の育成について説く。 -
漫画・アニメオタクとマニアとファンの違い
わいわいするのが好きな『ファン』、収集そのものが楽しい『マニア』、一枚の絵に恋をして、人生まで変えるのが『オタク』それぞれの違いを解説。オタクは存在自体が大きなポテンシャルであるというエッセイと併せて。 -
漫画・アニメMAD MAX とパクリと北斗の拳
『北斗の拳』の原作者である武論尊と原哲夫先生を掴まえて「マッドマックスをパクりましたね」という人は皆無でしょう。あの作品にインスパイアされて北斗の拳が生まれたのは誰もが知ってる話だし、先生自身も公言されている。マッドマックスだけでなく、... -
エッセイ&コラム自分の作品を「拙い(つたない)」なんて言うな
相手の機嫌を損なわぬよう、自分をへりくだる「ケンソン」は自尊心を貶めるだけで誰をも幸せにしない。相手も凄いように、自分も凄い。せめてネットの中だけでもドヤ顔で作品を公開しようという話。いつかハッタリも本物になる。 -
漫画・アニメ魔夜峰央のパタリロは究極の二次創作(褒め言葉)
魔夜峰央先生のパタリロが舞台かされると聞いて、ビックリ。どんな様相になるのか、野際陽子の月影先生くらいのインパクトはあるのか、ニュース記事をのぞきにいったら、想像以上にお似合いで二度ビックリ。役者さんの演技魂となりきりポーズに感嘆しまし... -
エッセイ&コラム疲れ果てて ゴッホ展の思い出
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの作品に『 worn out 疲れ果てて』という作品がある。十八の時、ゴッホ展で初めて本物を目にしたのだが、見た瞬間、絵に突き飛ばされそうになった。そこには、見る者を圧倒するような、凄まじい情感が渦巻いていたからだ。そ...
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文学・思想・神話アーサー王伝説『シャロットの女』恋と孤独を恐れた処女姫
呪いをかけられ、高い塔に閉じ込められた乙女にとって、外界と繋ぐ唯一のものは鏡だった。ある日、その鏡に騎士ランスロットが写り、その麗しさに魅了された乙女は思わず外界を目にして「呪いが私にふりかかった」と叫ぶ。運命を覚った乙女は一隻の船に乗り込み、最後の歌をくちずさみながら、やがて息絶えてしまう……。 -
文学・思想・神話名刺の肩書きは『旅行中』 本当に自由な生き方とは 映画と原作『ティファニーで朝食を』
彼女の名刺には、彼女の生き様そのものともいえる肩書きが一つ、『旅行中』。何ものにも属さず、誰のものにもならず、自由奔放に生きる女ホリー・ゴライトリー。”ティファニーで朝食を”とは、自我と自由を愛するホリーの心意気と、留まる所の無い不安と淋しさを表した、象徴的な言葉です。 -
エッセイ&コラム少女と女の違いは何か ~人を愛する器があること
女性らしさとは何か、と問われたら、『気遣い』と答えます。いわば、その場に必要な事を察知して、臨機応変にできる感性と行動力ですね。 -
漫画・アニメ「非実在青少年」アニメ・マンガ表現規制 と 竹宮恵子「風と木の詩」
「性」というものを考える時、大人はとかく医学的、あるいは倫理的立場から論じようとするけれど、本質はもっと人間くさく、生命の本能に根ざした凄まじい欲求であり、「性への理解」が目指すゴールは「真実の愛」である。「避妊」や「防犯」ではない。 -
エッセイ&コラム超時空要塞マクロス リン・ミンメイは可愛かった / 失恋したら聞く歌『天使の絵の具』
90年代、華麗なメカの動きや親しみやすいキャラ造形でアニメファンを釘付けにした初代・超時空要塞マクロスとバーチャル・アイドルのリン・ミンメイ。EDで歌われる『天使の絵の具』の美しさは白眉のもの。羽田健太郎氏の音楽も素晴らしい。 -
エッセイ&コラム恋人たちの夏時間(ベルサイユのばらに寄せて)
ヨーロッパの夏の日照時間は長い。夏至の頃には、夜の九時を過ぎても、まだ顔の見分けがつくほど明るく、広場も、食後のビールを楽しむ人々でごった返している。夏のこの季節、「夜」と言えば、十時以降を差し、「十時になったから帰ろう」ではなく、「さ... -
漫画・アニメ素敵な恋のあきらめ方(ベルサイユのばらに寄せて)
恋をして、何が辛いかといえば、その人をあきらめなければならない場合でしょう。かといって、人を好きになったら、そう簡単に理屈であきらめきれるものではありません。頭では分かっていても、「もしかしたら」と期待して、側に寄ってみたり、背伸びして... -
漫画・アニメ恋する瞳 ~人はなぜ眼差しに惹かれるのか~ フェルゼンとマリー・アントワネットの恋
視神経は大脳に直結するため、心に思ったことがダイレクトに現れます。フェルゼンとマリー・アントワネットの恋もマリーがフェルゼンの眼差しにどきどきするところから始まりました。なぜ人は眼差しに惹かれるのでしょう。 -
エッセイ&コラム人に恋する、ということ
人生は現実だけではなりたたない。悦ばしく生きる為には、現実を離れたロマンが無ければならない。人は『心』で生きている。その心に生命を吹き込み、活力を与えるのは、『感性』だ。感性が死ねば、心が死ぬ。心が死ねば、人間が死ぬ。まさに『心』ひとつで人は生きている。 -
エッセイ&コラム【詩】The Lady of Shalott ~シャロットの女
恋を知りあなたを知って私は死へと旅立つ報われぬ想いを胸に夜の果てへ恋を知りあなたを知って私は永遠に孤独になったもう何処にも救いはないこの地上にあなた以外にもはや死だけが私を安らかにする悲しみも苦しみもない永遠なる恋の墓場"https://novella.... -
エッセイ&コラム【詩】 世界であなたほど愛している人はないから - Clair de Lune より
恋だけが、真の意味で、人間を完全にする。「異性」という、異質の人間との遭遇。「情熱」という、未知の感情との遭遇。恋は変え、恋は解き放つ。恋とは魂の変容。わたしたちは皆、片翼の鳥なのだ。恋の詩を収録 -
寺山修司『片思いの詩集』寺山修司 人を好きになることを愉しもう
『片思いはレコードでいえば、裏面の曲のようなものです。どんなに一生懸命唄っていても、相手にはその声がきこえません』恋する乙女の気持ちを純朴に綴った片想いの詩集より、お気に入りの恋の詩を紹介。心から綺麗になりたいあなたへ。
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漫画・アニメヒロインの変遷 オスカルとマリーアントワネット
私が「ベルばら」にすっ転んだのは小学校四年生の時です。NHKで見た宝塚劇場中継がきっかけでした。その頃は、愛だの恋だのという話はもちろん、生き甲斐だの、人生だのというテーマにも何の関心もなかったので、『オスカル』というヒロインとの出会いは、... -
漫画・アニメさようなら、オスカル ~『少女』から『女』へ 変容の時
少女時代の理想だった「天翔るように自由なオスカル」への憧れは消え、囚われの女だったマリー・アントワネットの生き方に強く共感するようになった。少女から女、そして母性へと変容を遂げる女性向けコラム。 -
漫画・アニメオスカルとは何者だったのであろうか
私にとって、オスカルとは何者だったのであろう。凛とした美しさ、意志もって生きる素晴らしさ、自らに従う潔さと素直さ――そうした、真に女性らしい、女性にしか出来ない、豊かでしなやかな生き方を体現してくれた人、そんな感じがする。 -
エッセイ&コラム恋人たちの夏時間(ベルサイユのばらに寄せて)
ヨーロッパの夏の日照時間は長い。夏至の頃には、夜の九時を過ぎても、まだ顔の見分けがつくほど明るく、広場も、食後のビールを楽しむ人々でごった返している。夏のこの季節、「夜」と言えば、十時以降を差し、「十時になったから帰ろう」ではなく、「さ... -
漫画・アニメマリア・テレジアの選択 (ベルサイユのばらに寄せて)
仕事を持つ母親にとって、一番心に突き刺さるのが、「子供と仕事と、どっちが大事なの?」という問いかけだろう。「どっちが大事」と訊かれても、どちらとも言えないし、こればかりは比べようがない。もちろん、「子供が大事」なことは言うまでもないが、... -
漫画・アニメお手製ショコラの思い出(ベルサイユのばらに寄せて)
私が小学生の頃、周囲で、ベルばらを熱心に読んでいる子は非常に稀であった。彼女たちの愛読書と言えば、「チッチとサリー」みたいな、ほのぼの恋愛マンガか、「キャンディ・キャンディ」のような、少女が主人公の物語が大半で、歴史ものや大人の恋愛もの... -
漫画・アニメ38歳 マリー・アントワネットと同じ年齢になる(ベルサイユのばらに寄せて)
この世には、その身にならないと分からないことがたくさんある。私も、10代の頃は、「マリー・アントワネットという女性は、なんと愚かで、浅はかなのかしら」と思っていたが、自分も結婚し、子供を生み、マリーと同じ年齢だけ生きたら、彼女がそうなら... -
漫画・アニメ宝塚 バラの魔法が宿る街(ベルサイユのばらに寄せて)
宝塚は、今もたくさんの乙女の来訪を心待ちにしている。乙女が宝塚を愛するのではなく、宝塚が乙女たちを幸せにしたいのだ。次にバラの魔法に出会うのは、きっとあなたかもしれない。 -
漫画・アニメプチ・マリーの行方(ベルサイユのばらに寄せて)
最近、コッポラ監督の「マリー・アントワネット」が封切られたり、帝国劇場で涼風真夜さんのミュージカルが上演されたりして、ちょっとしたマリー・アントワネット・ブームになっている。他にも名の知れた女王はたくさん存在するのに、どうしてマリー・ア... -
漫画・アニメオーストリア女 =マリー・アントワネット ~異国の女として生き、異国の女として死す~
近頃は、国際人を目指して早期の英語教育も盛んですが、果たして言葉は本当に国や民族の違いを超えるのか、時々、疑問に思うことがあります。たとえば、日本人相手に「ベルばらがね……」と言えば、池田先生の名前はもちろん、作品の内容、オスカルやアンド... -
漫画・アニメ素敵な恋のあきらめ方(ベルサイユのばらに寄せて)
恋をして、何が辛いかといえば、その人をあきらめなければならない場合でしょう。かといって、人を好きになったら、そう簡単に理屈であきらめきれるものではありません。頭では分かっていても、「もしかしたら」と期待して、側に寄ってみたり、背伸びして... -
漫画・アニメザ・結婚証書 ~マリーの指先も震えた運命の一瞬
政略結婚によりフランス王太子(未来のルイ16世)に嫁いだマリー・アントワネット。結婚当時、14歳だった彼女は緊張のあまり結婚証書にインクの染みを作ってしまう。有名なエピソードとポーランドの市民婚の様子を交えて。