なぜ自尊心が幸福の基本なのか
「自尊心」と言うと、「自信過剰」や「傲慢」といった悪いイメージを連想する人もありますが、自尊心とは、文字通り、心をもった一人の人間として自分自身を尊ぶこと。その中には、権利や社会的役割も含まれます。
では、なぜ自分という人格を、自分自身で尊ぶことが、幸福の基本となるのでしょうか。
ここで一つのエピソードを紹介しましょう。
A子さん(36歳)は、職場のリーダー格で、上司や関係部署の信任も厚く、仕事もきっちりこなすと定評があります。
しかし、数年前、きちきちした性格が結婚生活では災いして、夫から離婚を告げられたことが大きな心の傷になっていました。
親が、自分自身のことを幸福と思えないのに、子供にどうやって幸福を教えるのか
育児系メルマガにしては、ちょっとハードな内容に感じられたかもしれませんね。
私は、今回、創刊するにあたって、「他の人が書かないような育児の話を書こう」と思って、いろいろ草稿を練っていました。
「親としてどうあるべきか」なんて話は、わざわざこんなメルマガを購読しなくても、巷にあふれかえってますし、親である皆さん自身が一番よくご存知だと思いますのでね。
そうではなくて、もっと根源的な話――自我に訴えかけるようなものを……と考え、「子供どうこう」の前に、「あなた自身はどうなの?」というコンセプトに決めた次第です。
子育て歴3年の私がこんな事をいうのもなんですが、すべての鍵は、「親が健全な自尊心を持っているかどうか」、この一言に尽きると思います。
親の、自分自身に対する不信、不安、嫌悪感、空しさといったものは、必ず相手=子供に投影されて、能力も協調性もあるけれど、自分に自信がもてず、いつも不安な子供を作ってしまうんですよね。
スポーツやら勉強やら、どんどん詰め込んで、「出来る子」に仕立て上げても、健全な自尊心を欠いたところに幸せな花は開かないです。
そして、その自尊心のモデルというのは、親に他ならないんですよ。
私がこういう事を言い切ってしまうのも、私の周りにいた人達がそうだったし、私自身も同じ罠にはまって、もがき苦しんだ経験があるからなんです。
そういう悪い輪廻を孫の世代まで引きずらない為にも、私はやはり、親が自分自身をきちんと見つめて、健全な自尊心を育むことから始めるべきではないかと思うんですよ。
親が、自分自身のことを幸福と思えないのに、子供にどうやって幸福を教えるのかな、と。
そんな訳で、私は、「子供をどうこう」の育児ネタではなく、「そう言う、あなた自身はどうなのヨ」の視点から綴っています。
「健全な自尊心」と「心の幸福」については、また続編で詳しく書いていきますので、興味のある方は、ぜひにお付き合い下さいね☆
コラム子育て・家育て : あせらず、あわてず、あらそわず 【第2号 母親である自分が好きですか】 初稿 2007年7月30日