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鉱業の完全自動化を目指せ 深海の破砕機と集鉱機のオペレーション

鉱業の完全自動化を目指せ 深海の破砕機と集鉱機のオペレーション

鉱業の完全自動化を目指せ 深海の破砕機と集鉱機のオペレーション

鉱業と現代文明

皆さんは鉱物資源の採掘現場がどのようなものか、目にしたことがありますか。

私も写真や動画でしか知りませんが、大きく分けて二種類あります。

一つは、オーストラリアの露天掘りみたいに、巨大なマシンで山の斜面をガンガン採掘するもの。

もう一つは、地下の坑道、もしくは河川などで、人の手によって採掘するものです。

後者に関しては、『チリの岩盤崩落事故』で知られるように、機械化された坑道がある一方、アフリカの紛争地域のように、子供まで駆り出され、きわめて前時代的なやり方で鉱石を拾い集めている現場もあります。参照記事→鉱業問題が手軽に分かる『コルタン狂想曲』と『ブラッド・ダイヤモンド』

掘削や搬出は機械化されていても、岩盤崩落事故のように、自然災害によって多数の人命が脅かされることもあり、いずこも非常な危険が伴います。
希少な鉱物資源を得る為に、人権が踏みにじられている場所もあります。

現代人の暮らしは、もはや大量の鉱物資源なくして成り立たないところまできており、人々の生活レベルが上がれば上がるほど、需要も急増します。

この地球は、そして採掘現場は、どこまでその需要を支えきれるのか。

明確な答えはありません。

しかしながら、現代人にも一つだけ出来ることがあります。

それは、希少鉱物の代替となる物質を発明したり、採掘作業が安全に取り計らわれるよう、関連技術の向上に努めることです。

完全自動化された海底鉱物資源の採掘システムもその一つです。

もちろん人手は必要ですが、地下深くの坑道に比べて、肉体的負担の軽減、緊急時の柔軟性(病人の搬出など)、少数監視体制など、安全面や衛生面で優れた点が多いです。

実際に稼働してみなければ弊害は分かりませんが、一つの可能性として模索する価値はおおいにあるのではないでしょうか。

これはまた、大量の鉱物資源を消費する日本の課題でもあります。他国からいつでも輸入できるから、と、暢気に構えておられないのが実状です。『コルタン狂想曲』でもあるように、政治的、あるいは物理的事情で供給がストップすれば、どれほど優れた技術も製品化することはできないからです。

この章では、プロジェクトチームのサブリーダーであるマードックがCGを用いて採鉱システムの全容を説明します。

興味をもっていただければ幸いです。

ちなみに本作に登場する海底鉱物資源の採鉱プラットフォームのモデルについては、実際に開発中の『Nautilus Minerals』を参考にしています。

【小説の抜粋】 鉱業の完全自動化を目指せ

水深3000メートルの海底から海底鉱物資源の採掘を試みるMIG(マクダエル・インダストリアル・グループ)の長アル・マクダエルは、ローレンシア海域に洋上のプラットフォームを建設し、本採鉱に向けて揚鉱管やリアクターや集鉱機を接続する段階に入っていた。

渋々ながらも採鉱プラットフォームの仕事を引き受け、潜水艇のパイロットとして接続ミッションに参加することになったヴァルターは、プロジェクトチームのサブリーダー、ラファウ・マードックから採鉱システムの説明を受ける。それは完全自動化された、新時代の採掘システムだった。

前のエピソード → 
鉱業の歴史を変える海底鉱物資源の採鉱プラットフォーム ~Nautilus社の採鉱システム・モデルより

【第二章 採鉱プラットフォーム】 のシリーズ

このパートは海洋小説『曙光』(第二章・採鉱プラットフォーム)の抜粋です。詳しくは作品概要をご参照下さい。

【リファレンス】 開発が進む海底鉱物資源の採鉱システム

今、世界中で、様々なプロトタイプが作られていますが、形状は大体同じ。海底鉱物資源を含む堆積物やクラストを砕く破砕機と、それを回収する集鉱機、水中ポンプ、揚鉱管からなります。重機が二つになるとメンテナンスも大変なので、オールインワンタイプのアイデアもあるようですが、やはり技術的に難しいようです。

採鉱システムの海上基地は、船型と、半潜水型のオフショアリグと、二通りあるようですが、本作では後者を採用しています。

洋上施設での生活はこんな感じ。まあプロモーションビデオだから、演出もあるだろうけど、皆さん楽しそう。女性エンジニアやマネージャーも活躍されています。本作でも、「独身者はみなここが好き」という設定になっています。毎晩酒盛り、ゲーム三昧、唯一の不満は女の子と知り合う機会が少ないこと、でも、それもオンラインデートを利用して、みな上手にやっている、という話です。

最近では企業が自社PRと求人の為に映画仕立てのCM動画を制作することが多くなりました。
こちらもハリウッド映画のようなオフショアライフです。

ちなみに洋上施設の作業がどれくらい危険かといえば、こんな感じ。ほんと、タラバガニに漁船でなくても、死にます。それでも笑いながらやってるのがスゴイ。

第二章 採鉱プラットフォーム Googleブックスで試し読み

水深3000メートルの海台に広がる海底鉱物資源を採掘する為、潜水艇パイロットのヴァルターは洋上プラットフォームの採鉱システムを接続するミッションに参加する。採鉱事業を指揮するアルの娘リズは彼に一目惚れするが、彼の態度は素っ気なく..。
Googleブックスで試し読みできます。

海洋小説 《曙光》 MORGENROOD
ブックカバー
宇宙文明を支える稀少金属ニムロディウムをめぐる企業の攻防と、海洋社会の未来を描く人間ドラマ。心に傷を負った潜水艇のパイロットが、恋と仕事を通して成長する物語です。