ドミートリィと父フョードル– tag –
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ドストエフスキー『どうしてこんな人間が生きているんだ!』 なぜゾシマ長老は大地に頭を垂れたのか(11)
本作屈指の名場面。ドミートリィはなぜ「こんな人間が生きているんだ」と嘆き、ゾシマ長老は「お赦しくだされ」と彼に頭を下げたのか。その後の悲劇を示唆する内容で、非常にドラマティックな一幕の解説。 -
ドストエフスキー僧院の『薔薇の谷間』とフョードルの洞察力 田舎のオヤジは本当に道化なのか?(6)
父フョードルと長男ドミートリィの金の分配をめぐって一家で集うことになったカラマーゾフ家。高徳の僧ゾシマ長老に裁量を仰ぐ為、僧院に赴くが、さっそくフョードルの下卑た言動が始まる。ハチャメチャな未来を予感させる印象的な場面。 -
ドストエフスキー自分にも他人にも嘘をつけば真実が分からなくなる フョードルの実体とは?(7)
僧院でもふざけた態度を取り続けるフョードルに、ゾシマ長老は「自分自身に嘘をつけば、自分のうちにも周囲にも真実が見分けられなくなり、自分にも他人にも尊敬を抱けなくなる」と諭す。長老の洞察力とフョードルの真の姿が垣間見える場面。 -
ドストエフスキー子は永久に『子』~父親という人生の負債(5-2)
父親を殺したいほど憎んだとしても、親は親、子は親には永久に逆らえない。たとえ相手が強欲な淫蕩父でも、育児放棄するような親でも、子は生まれながらに十字架を背負わされたように、親を慕って生きていく。心底から否定などできるわけがない。それゆえに苦しむのである。 -
ドストエフスキーこんな男がなぜ生きているんだ! 淫蕩父と長男の修羅場《カラマーゾフ随想》原卓也訳(4)
神父さんたち、父親殺しの言うことをききましたかね? あれがあんたの『恥を知れ』に対する答えですよ! 本当にドミートリィが道理をわきまえない、ただの乱暴者であれば、恥は感じない。そしてゾシマ長老の一言「赦しておあげなさい。すべてを赦すことです」
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