海外の文学– tag –
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エッセイ&コラム安逸な日常を疑え 『隣同士の蛙』イソップ寓話集より
隣同士の蛙が二匹、一匹は深くて道からも遠い沼に、もう一匹は道にできた小さな水たまりに住んでいた。沼の蛙がもう一方に、自分の側へ引っ越して来て、もっと楽しく安全な暮らしをするように、と勧めたが、こちらは、住み慣れた場所から離れがたい、と言って従おうとしなかった。そしてとうとう、通り過ぎる車に轢き殺されてしまった。 -
文学・思想・神話恋とバラの詩 プレヴェール、ジョン・キーツ、ロバート・ヘリック、etc
ジャック・プレヴェール「五月の唄」「恋する二人」、ウィリアム・シェイクスピア、ジョン・キーツ、ロバート・ヘリック「あなたが摘める間に薔薇の蕾をを摘みなさい」等、心に響く詩と名言を紹介しています。 -
文学・思想・神話肉体の声に耳を傾け、自分に素直に生きる D・H・ロレンスの名作 『チャタレイ夫人の恋人』
自分の肉体のことに気がついた瞬間から、不幸というものが始まるのよ。だから文明というものが何かの役にたつならば、私たちが肉体を忘却することを手伝ってくれるものでなければなりませんわ。猥褻か芸術家で裁判沙汰にまでなったD・H・ロレンスの性愛小説。だが本質はありのままに生きることを謳った人生賛歌である。 -
文学・思想・神話絶望名人カフカの人生論 ネガティブすぎて笑っちゃう
今、非常に読んでみたい一冊。カフカは中学生の時「変身 (新潮文庫)」にトライしたけど、正直、ぜんぜん面白くなくて! まあ、中学生の読みこなせる小説じゃなかったんだろうけど、以来、ノータッチ。※ 時満ちて(?)読んだレビューはこちらです。疎外す... -
文学・思想・神話『シーシュポスの神話』と『まじめの罠』 努力が報われない時、どうするか
無益で希望のない労働ほど怖ろしい懲罰はない。アルベール・カミュの名著『シーシュポスの神話』と勝間和代氏の著作『まじめの罠』から考察する不条理に対する回答。結局「それでよし」としか言いようがない点に人智の限界を感じるというコラムです。 -
文学・思想・神話恋の詩 ヴェルレーヌ、アンデルセン、プレヴェール、他
恋というのは、感性の問題であって、本人の魅力うんぬんの問題ではありません。恋人がいようが、いよまいが、恋愛経験が豊富であろうが、なかろうが、人が人に恋する心情を理解できるか否かが重要なのです。プレヴェール、アポリネールなど、美しい恋の詩を紹介 -
映画もう二度と飢えに泣かない ~スカーレットの心の強さ~ 映画『風と共に去りぬ』より
【【文芸コラム】 もう二度と飢えに泣かない】以下、1998年の原稿不朽の名作『風と共に去りぬ』は第1部と第2部から構成されている。エンディングとしては、スカーレットの最後のセリフ、『Tomorrow is another day(邦訳:明日に望みを託して)』が圧倒... -
文学・思想・神話『ツァラトゥストラ』で読み解く ニーチェの『永劫回帰』と『生の哲学』
難解と言われるニーチェの『永劫回帰』も「海と太陽」に喩えれば分かりやすい。自己を肯定し、意思もって生きることの大切さを説いたニーチェの生の哲学の集大成を分かりやすく解説しています。 -
ドストエフスキードストエフスキーの名作『罪と罰』米川正夫(訳)の抜粋 / 『謎とき 罪と罰』江川卓
超個人主義に徹する貧しい大学生ロジオン・ラスコーリニコフは、『人間は凡人と非凡人とに分かれ、非凡人は既成道徳をも踏み越える権利を有する』 『一つの些細な犯罪は、数千の善事で償われる』という論理のもと、強欲な高利貸の老婆を殺害し、奪った金を有効に使おうとする。不朽の名作を米川正夫訳で紹介。 -
映画映画と原作から読み解く『ゴッドファーザー』人生を支える第二の父親
「世の中はつらいことだらけだから、二人の父親に面倒をみてもらわなければ生きていけない。そんな意味合いから、名付け親(ゴッドファーザー)というものが生まれたのです」ドン・コルレオーネと三人の息子らの宿命を描いた名作の世界観を原作の抜粋と動画で紹介。イタリア移民の生き残りをかけた哲学と志、家族愛が印象的な人間ドラマの最高峰。原作は一ノ瀬 直二氏の翻訳が秀逸。 -
文学・思想・神話「独身のほうがいいとおっしゃる方は、なかなか考えを変えてくださらないし」ゲーテの『ファウスト』より
逃げるメフィストフェレス。追う乳母マルガレーテ。いつまでも独身の自由を楽しみたい男にとって女が仄めかす「結婚」の二文字は悪魔の囁きかもしれない。結婚をめぐる男女の駆け引きは現代と変わらず、18世紀に男のゲーテがこういう台詞を思い付いたのは作家の妙。 -
文学・思想・神話知見は時に絶望しかもたらさない フランツ・カフカの『ロビンソン・クルーソー』
もしロビンソン・クルーソーが高所に立ち、自分の居場所が絶海の孤島だと知ったら、絶望に狂い果てただろう。何も知らず、いつか助かるという根拠なき自信に支えられて毎日を楽しんだから生き延びることができたのだ。