医療と人間– tag –
-
文学・思想・神話死を受容する必要なんか、ない / 渡辺淳一の『無影灯』
ガン患者に対して死を告知するのが格好いいと思われている節があるが、告知は本当に患者や家族の救いになるのだろうか。難病に苦しみ若い医師と看護婦の恋愛を描いた『無影灯』は渡辺淳一氏の医療観が色濃く表れた傑作。告知について考えさせられる。 -
エッセイ&コラムミス・ゼロ ~働くということ~ 臨床検査技師のアルバイトから
二十歳の時、臨床検査センターで検査技師のアルバイトをしていた。扱うのは、主に血液。他には尿や便、喀痰や臓器組織など。取引先の病院や診療所などで採取された検体を営業部員が回収し、検査結果を通知書に打ち出して、病院に提供するのがメインの業務... -
エッセイ&コラム笑って、死なせて ~死は人生の集積
私もいろんな人の死の床に立ち会ったが、笑って死んで行く人など本当に希だ。『死は、人生の集積である』という名言があるが、まさにその通り。人間、死期が近づくと、その表情は人生の内容に応じて、だいたい三つの様相に分かれる。一つは、人間そのもの。言い換えれば、“人間”のまんま。あるいは、修羅。 -
エッセイ&コラム医療現場の十人十色 人の生き様と死に際
生き様と死に際も人それぞれ。どれも人間らしくて、最後には許されるのではないかと。そう頑張らず、立派を目指さず、自分らしく死んでゆけばいいのです。何を得たかよりも、何を為したかに重きを置く方が、結果的には魂の充足に繋がります。 -
映画生物兵器のウイルスと人類滅亡を描く 映画『復活の日』ジャニス・イアンのYou are Love
生物兵器MM-88を強奪したテロリストの小型飛行機が雪山に墜落し、容器から漏れ出したウイルスが雪解けと共に爆発的に増殖を始める。人類滅亡の危機に瀕して、最後の希望は、ウイルスが無力化する南極に取り残された人々だった。 -
映画エボラ熱と映画『アウトブレイク』ダスティン・ホフマン主演
エボラ・ウイルスをモチーフにしており、感染の経路、医療者の対応、実際に町で流行したらこれくらいの厳重警戒、隔離状態になる点を忠実に描いていますので、入門編としておすすめです。 -
漫画・アニメ死刑囚に手術をすること ブラックジャックの怒り
凶悪な放火犯をなぜ全力で治療するのか。そこには人道的理由と医療的理由の二つある。 -
エッセイ&コラム死ぬことと生きること 『病院は社会の縮図、そして人生の縮図』
分娩に立ち会った次の日の朝、 いつものように白い洗面器にぬるま湯をはり、一番最初に洗面介助をした重症のおばあちゃんの個室に運んで行くと、すでに名札が外され、部屋は空になっていた。 「あの……あの方、部屋を替わられたんですか?」と看護婦さんに聞... -
エッセイ&コラム延死 ~医療が引き延ばす死~
命を延ばすというよりは、死を引き延ばすような医療の在り方について。人間としての思考も意識も完全に停止し、自分で自分が誰であるかも分からない、ただ呼吸するだけの肉体として存在するに過ぎないなら、それも人間として尊厳のある「生」のうちに入るのだろうか? -
エッセイ&コラム善人には善人の運
医療や福祉の現場にいると、「なんで、こんなにいい人が、こんなに苦しまないといかんのかなー」と思うことがよくあります。ほんと「善人の上に光り差さず、大欲、これ王の如し」で、病院でも婦長や院長にネジこんで要求する人が、他よりいい待遇をされて...
1