社会派ドラマ– tag –
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映画なぜ小児性犯罪には厳罰が科せられるのか 映画『世紀のスクープ スポットライト』
ボストンの新聞紙『スポットライト』はカトリック教会の聖域に踏み込み、長年にわたる子供の性的被害の実態を明らかにする。被害者は大人になっても心の傷が癒えず、ジャーナリストのインタビューを通して、悲惨な実態が明らかになる。俳優らの渋い演技も秀逸。 -
文学・思想・神話子供向け ファストフードの解説本『おいしいハンバーガーのこわい話』 何を食べ、どう生きるか
世界を席巻するファストフードのフランチャイズ方式はどのように誕生したのか、ハンバーガーやチキンナゲットの肉は何をどのように加工しているのか、事実を淡々と語り、「それでもハンバーガーを食べ続けますか?」と問いかける良書。アメリカの食生活と産業を取り巻く社会問題を分かりやすく紹介。 -
映画戦争とは歴史の無慈悲なロシアン・ルーレット 映画『ディアハンター』
運が悪ければ頭が吹っ飛び、運がよければ生き延びる。敵国だろうが同盟軍だろうが、貧乏人に待ち受ける運命はみな同じ。気まぐれにロシアン・ルーレットを弾く手は、決して自ら汚れることはない。ロバート・デニーロとクリストファー・ウォーケンの名演が素晴らしい戦争映画の傑作。 -
映画人類の希望とは何か? EUの未来を予見する映画『トゥモロー・ワールド』
英国は国境を封鎖し、不法移民の取り締まりを強化する。政府関係者のセオはアフリカ系の若い女性を保護するよう要請されるが、なんと彼女は人類が18年ぶりに経験する妊婦だった。崩壊する世界秩序とテロに揺れる国際都市の様相を生々しく予見する。人類最後の希望となる赤子を抱いて、政府軍とテロリストが応戦する中を脱出する場面は映画史に残る美しさ。 -
映画インシャアッラー 全てを神の御心に委ねて 映画『デビルズ・ダブル』
サダム・フセインの息子で、ブラック・プリンスと言われたウダイの影武者を務めたラティフ。ウダイの蛮行に苦しむラティフに、父親は「我々が無力でも、いつか必ず神の裁きが下る。お前が自由を得ることで、私が死ぬことになっても、それは神のご意志だ。インシャアッラー(すべては神の御心のままに)」と励ます。 -
映画映画『アイヒマンを追え』 なぜ戦犯は裁かれねばならないのか ~歴史と向き合う意義
戦後、絶滅計画に関わったアイヒマンは海外に逃れ、身分を偽って平和に暮らしていた。ドイツのバウアー検事長はアイヒマンを法廷に立たせて史実と向かい合うことがドイツ民主主義の礎になることを確信し、拘束に執念を燃やす。 -
映画国家の安全保障か、ネットの自由か 映画『スノーデン』と『シチズンフォー』
『捜査とは人生に立ち入り壊すものです』テロ防止という大義の下に全く無関係な個人の私生活や思想まで覗き見られていることに疑問をもったスノーデンは香港に逃れ、ジャーナリストにNSA(アメリカ国家安全保障)による監視の実体を暴露する。安全か、自由か、すべてのネットユーザーに疑問を投げかける渾身の社会派ドラマ。 -
映画アイデアは資本に優先する 映画『ソーシャル・ネットワーク』
ザッカ-バーグという人物もFacebookというサービスも、いわば現代のネット・ビジネスを象徴するアイコンであり、監督の狙いは、大学生を一夜で世界の億万長者に変えるイマドキのビジネスの在り方を観客に考えさせるところにある。 -
映画『フロスト×ニクソン』アメリカ国民を釘付けにした伝説のTVインタビュー
悪名高いウォーターゲート事件の中心人物として現役中に弾劾されたニクソン大統領と、真実を突き止めるべくインタビューに挑む人気司会者のフロスト。真実を語ることで復帰の足がかりを永久に逸したニクソンは、政治家としては完全に終わったが人として救われた。 -
映画リプリー船長が最も美しいコメディ映画『デーヴ』
米国大統領のそっくりさんデイブは、愛人と情事の最中に腹上死した大統領の代役を務めるが、持ち前の人柄から国民の信望を一身に得るようになる。だが妻のエレンはデイブが偽物であることを見抜き、芝居も続けられなくなる。爽やかで心温まる良作。 -
映画セカンドレイプと裁判 映画『告発の行方』ジョディ・フォスター
世界的な#MeTooに先駆けて、ジョディ・フォスターが体当たりで演じたレイプ裁判の実態を画像付きで解説します。被害者でありながら病院や警察の取り調べでは辱められ、世間には「同意の上」と非難される性犯罪。被害者が圧倒的に不利な中、弁護士は犯人を有罪にすることができるのか。法の盲点を突いた社会派ドラマの傑作。 -
映画死刑制度は本当に遺族と社会を救うのか ~映画『デッドマン・ウォーキング』
死刑囚の精神的アドバイザーを務めるシスター・ヘレンは、死刑宣告されたマシューと面会するうち、死刑が本当に解決策なのか疑問を抱くようになる。一方、我が子を殺された遺族は激しい憎悪をつのらせ、死刑にすべきとの態度を崩さない。死刑囚と遺族感情の間でヘレンは苦悩しながらも、最後までマシューに寄り添うことを決意する。
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