野菜嫌いには訳がある

野菜嫌いには訳がある  ~キャベツジュースで胃痛が悪化した話

野菜嫌いには訳がある

キャベツジュースで胃が悪化した話

私は昔から民間の食事療法には懐疑的で、オーガニックとか、ビーガンとか、グルテンフリーとか、ほとんど気にせず、好きなものを、好きな時に食べるタイプです。(効果を完全否定するものではありません)

「好きなもの」といっても、ラーメンだけ、カレーだけ、みたいな極端な偏食ではなく、全体のバランスを考えた上で、カレーやラザニアも食べるし、たまにはチップスも口にする、緩い健康志向です。

市販のドレッシングやソースも使わず、たいてい手作りしています。(手作りの方が美味しいから、そうしてるだけ。オーガニック信者ではありません)

そんな私も、ケーキの食べ過ぎが発端で、胃を悪くしたことがありました。

いつもなら数日で軽快するのに、今回ばかりは、三週間以上、症状を引き摺り、これはいよいよ胃に孔が空いたかな……というくらいの、結構な重症でした。

コロナ騒動で、胃カメラや造影検査が出来なかったので、断定はできませんが、ほぼ間違いなく、胃・十二指腸の病変です。(エコーや血液検査は異常なし)

慌てふためかなくても、二、三日、絶食し、徐々にお粥から始めれば、そのまますんなり治ったはずなのですが、ネットで見かけた「キャベツジュース、最強」の情報に釣られて、自分も試してみたのが運のツキ。逆に、激しい痛みに七転八倒することになりました。

私も、最初はそうと気付かず、バナナスムージィにしたり、絞り汁にしたり、いろいろ試したのですが、どうも、飲んだ後、「お腹がふくれる」「胃の裏がズキズキする」など、調子が悪い。

でも、日本でも、海外でも、ネットであれほど「胃・十二指腸潰瘍にはキャベツジュースがおすすめ」と情報が出回っているのだから、まさかそれが原因ではないだろうと、私も信じて疑わなかったんですね。

そして、七度目のキャベツ汁の摂取で、胃の焼け付くような痛みを感じ、とうとう継続を断念しました。

世間がどれほどキャベツの効能を褒めそやそうと、私の胃腸には合わない、と判断したのです。

野菜嫌いには訳がある

実は、私は幼少時より野菜が苦手で、根菜や黄色系はそうでもないですが、緑色系だけは、『超』が付くほど苦手で、物心ついた時から、ピーマン、ナス、キュウリは口にしたことがありません。サラダ菜やレタス、貝割れはOKですが、この三種だけは、天敵レベルに駄目です。臭いを嗅いだだけで吐き気がするし、同じ皿にのっている物さえ、口にできなくなります。何故なら、臭いが付くからです。他人にとっては何でもないキュウリの香りが、私にとっては劇薬レベルに臭いんですね。

この三種の栄養価が高いことは、科学的にも証明されていますが、臭いを嗅いだだけで吐き気がし、うっかり口にしようものなら、いつまでも胃がムカムカして、気分が悪くなるような食べ物が、自分の身体に良いとは到底思えません。

100人中、99人にとっては、栄養価の高い野菜でも、私には毒饅頭レベルの、悪しき食べ物です。

大豆アレルギーや、卵アレルギーの人が存在するように、キュウリやナスにも、ある人にとっては、劇薬になるようなものが含まれているのではないかと思ったりもします。

そんでもって、この世で一番厄介なのは、野菜と果物が絶対正義で、それを信じて疑わぬ人が、自分の主義主張(食生活)をゴリゴリと押しつけてくることなんですね。

私も野菜が苦手といっても、「芋もニンジンも食べられない」という極端な偏食ではなく、「生野菜」が苦手なタイプです。

ピーマン、ナス、キュウリは全滅でも、コトコト煮込んだ根菜は好きですし、サラダ菜や貝割れやトマトも、チーズと果物をあえて、ドレッシングを工夫すれば、大きなボールいっぱい、余裕で食べられるタイプです。

ただ、積極的に生野菜を食べようとは思わないし、胃のコンディションを第一に考えるなら、煮物・焼き物 >> 生野菜 というスタンスです。

そして、それで、ほとんど病気もせず、血液検査も異常なく、15キロぐらい、軽くウォーキングできる体力の持ち主です。

だから、私にはそれが合っているはずなのです。

ところが、野菜教の信者に言わせれば、「生野菜」が絶対的に正義で、胃痛の時も、キャベツとキュウリとレッドビートとリンゴと…をミックスしたジュースを毎朝飲むべき ! みたいな話になるんですね。

白いご飯は悪! 肉類も毒 ! 

彼等の主張するメニューを見ていると、まるで山羊のような食生活です。

工場で作られたものも、一切、口に出来ません。化学成分だらけで。

でも、この世に、化学成分を含まない市販の食物などあるでしょうか。

そんな彼等も、カフェに行けば、生クリーム大盛りのケーキや、三段重ねのアイスクリームとか、パクパク食べてるんですね。

どう見ても、その生クリーム、ケミカルですけど・・と言いたくなるんですが。

たとえ、100人中、99人に効能のある食べ物でも、合わない人にはとことん合わないし、○○のすり下ろしやら、フレッシュジュースやら、無理して摂取するより、薬局で胃薬もらって、一錠飲んだ方がはるかに楽になることも多いです。

今度のキャベツジュースも、まるで野菜の王様、万能の胃薬みたいに書かれている健康系サイトが多いですが、私みたいに、一口飲んだ途端、胃のピリピリ感や、腹部膨満感に悩まされる人は、やはり摂取すべきではないのですよ。

身体に合わないから胃がピリピリ、ムカムカするのであって、本当に万人に効く薬なら、そんなこと、絶対に有り得ませんから。

ある意味、野菜嫌いも、その人の身体がNoと叫んでいる証かもしれません。(病的な偏食は別として)

……そういう訳で。

巷にはいろんな健康情報が溢れ、どこか体調が悪くなると、ネットでおすすめされている食事療法に飛びつきそうになりますが、中には、『あなたの体質に合わないものもある

その点によくよく留意して頂きたいと思います。

身体によいとされる、果物でも、ハーブティーでも、漬物でも、みな同じ。

一口、口にして、胃のピリピリ感やムカつきを覚えるなら、すぐに止めた方がいいです。

病気に利くはずだから……と無理に続けていたら、いっそう悪化しますよ。

こうした例もあるということで。

みな、「野菜は善」「身体にいい」という思い込みがあるから、まさか野菜のせいで体調を崩すとか、夢にも思わないんですね……。

極端な食事法は人間関係を壊し、心の幸福を損なう

私が、野菜教とか、オーガニックとか、グルテンフリーなどの信者が苦手なのは、「私たちの食生活は正しい。あなたが口にしているものは、毒!」みたいな雰囲気がイヤだからだと思います。

何度か一緒に旅行したこともありますが、ちょっとランチを食べるにも、グルテンフリー(もしくは、それに相当する自然派の店)を探すのに、一時間も町中をウロウロ。

しかも、料理を注文する時に、「原料は何? 調味料はどんなのを使ってるの? 小麦粉が入ってるかどうか、調理場に行って、聞いてきて!」と、何度もしつこく質問。

そして、ウェイトレスの回答が納得いくものでなかったら、既にテーブルのセッティングが済んでいても、「ここでは食事できない。他を探そう」と席を立つのです。

もうね。

こっちは旅の気分も一気に削がれて、一緒に居るだけで恥ずかしいです。

そりゃ、自分たちは客で、リクエストに応じるのが店の務めかもしれないけれど、あたかも毒を使っているかのような物言いは、どうなんでしょう。

それも怪しげなセルフバーなどではなく、ガイドブックでお勧めされているようなお洒落なレストランです。

ステーキが焦げ焦げとか、料理皿に髪の毛が落ちていた、とかいうクレームなら分かりますが、揚げ物に使う小麦粉がグルテンフリーではないという理由だけで席を立つ客とか、店側にしてみたら、「二度と来るな」の世界ですよね。

でも、本人たちは、自分が悪いとは思ってないのですよ。

何故なら、グルテンフリーに対応しない店側の怠慢と思っているからです。

このご時世に、普通の小麦粉を使っている店はダメなんですって。

そんな事を言い出したら、食事できる店なんて、本当に限られますよ。

でも、一度、そういう思想にハマったら、そうなるみたいです。

ちなみに、その一家の小学生の男の子は、結構、普通の子で、私がスープに付いてきたバゲットを美味しそうに食べてたら、「僕もパンが好き」と呟いたのが印象的でした。

自宅では、グルテンフリーのパンしか口にできず、バゲットとか、麦芽パンとか、全面的に禁止なのでしょう。

子供の前で、私だけが美味しそうにバゲットを食べるのも辛くて、その子のお母さんが見てない隙にコソっとあげたら、「美味しい、美味しい」と嬉しそうに食べてましたわ。

向こうの席で睨まれましたけど、数年に一度、バゲットを口にしたぐらいで、腸の病気になるわけないでしょうにねえ。

でも、一度、そういう思想にハマったら、そうなるのでしょう。

その一家と食事して、目の前の料理が美味しいと感じたことは一度もありません。

食事中の話題も、「化学成分がー、グルテンがー、栄養価がー」そんな話ばかり。

私一人が鮭のクリーム・スパゲティをつるつる食べてると、「よく、そんなグルテン入りの麺が食べられるわね」みたいな目で見られて、不愉快極まりないからです。

ちなみに、私の身近には、もう一組、食事法を実践している家族がありますが、そこはご主人が成人病の一歩手前で、一念発起して、食事療法に取り組まれた経緯があります。

今でも野菜中心+グルテンフリー派ですが、娘さんや奥さんには強要せず、基本的に、ちゃんとした食事の後なら、チョコレートパフェでも、ピザでも、何でも食べてOK。

一緒にレストランに行っても、自分だけがさりげなく魚料理や米料理を注文される感じで、ウエイトレスにしつこく原料や調味料を尋ねることもありません。まして途中で席を立つこともない。

だから、私も快適だし、「食事法は、人それぞれだよね」と心から共感することができます。

自分がグルテンフリー信者だからといって、普通のパンやパスタを美味しくいただいている者、またそれを調理している者まで、 「害毒」みたいな目で見ないで欲しいですよね。

でも、一度、そういう思想にハマったら、そうなるのでしょう。

お互いに、無縁の世界の人と距離を置くのが一番みたいです。

シンガーソングライターの小椋佳は定年まで銀行員を勤め上げた。
人の心に触れる曲を作るには、人間社会との関わりが不可欠であることを知っていたからだ。
売れっ子でも、だんだん作品がつまらなくなるのは、内輪の世界に閉じてしまうから。
パートやボランティアや結婚生活等で人間社会の勉強を続けているアーティストは長続きする。

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海洋小説『曙光』MORGENROOD

宇宙文明の根幹を支える稀少金属『ニムロディウム』をめぐる企業と海洋社会の攻防を描く人間ドラマ。生き道を見失った潜水艇パイロットと、運命を握る娘の恋を通して仕事・人生・社会について問いかける異色の海洋小説です。
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