WordPressで小説

WordPressでウェブ小説を作る前に考えよう メリット&デメリット

WordPressで小説

先に結論を書いておきますね。

WordPressで小説サイトを作って成功するパターンは三つしかないです。

1) 既に知名度があって、ファンとの交流や販促が主目的。
  小説コンテンツはあくまでサンプル(プロモーション)として公開
  
2)自身のコンテンツ(小説)が検索エンジンに強い

3)誰もが知っているキャラクターの二次創作である

あなたが無名の書き手なら、検索エンジン経由でビジターが集まらないことには話になりません。

1000ページ書こうが、2000ページ書こうが、検索エンジンで上位表示されなければ、存在しないも同じことだからです。

それが小説投稿サイトと大きく異なる点です。

たとえるなら、小説投稿サイトはコミケのブースに出品するようなもの。

会場を訪れる人は、みな小説が目当てですから、比較的簡単に読者と繋がることができます。

その点、ウェブサイトは大勢の行き交う駅前でチラシを配るようなもの。

道行く人すべてが、小説に興味があるとは限りません。

たまたまチラシを受け取っても、興味のない内容なら、ポイと捨てて終わりでしょう。

そもそも検索エンジンは「知りたいことを探すツール」であって、「文学的に優れたコンテンツを提供するサービス」ではありません。

検索エンジンの意味する『上質なサイト』とは、「訪問者にとって有益な情報」であることが大前提です。

たとえば、「ヴェニス 観光」で検索したとしましょう。

検索エンジンは、文章の上手い・下手ではなく、どれだけ訪問者にとって有益な情報が掲載されているかを重視します。

おすすめのホテル、美味しいレストラン、便利なアクセス、宿泊費、旅行者の評価などです。

ヴェニスがどれほど美しい町か、文章に上手に書き綴っても、そんなものは検索エンジンは評価しません。

よほど著者が有名であるとか、世界中が爆笑するようなエピソードが綴られているとか、特異な情報がない限り、誰も見向きもしないでしょう。

逆に、中学生レベルの作文でも、「アイドルの暴露話」「秒速で1億稼ぐ方法」「必ず痩せるダイエット」みたいな、大勢が知りたがっているネタなら、どんどんアクセスを集めることができます。

もし、あなたが、まったくの無名で、ネットに知り合いもなく、「これから自作の小説を発表します!」というゼロ地点であれば、WordPressで始めるのは相当苦戦すると思います。

ブログを開設すれば、検索エンジンを通して、いろんな人が見に来てくれる……と期待しているかもしれませんが、検索エンジンはそれほど単純ではないです。皆さんが日常的に目にする上位のブログやメディアサイトは、相当に作り込まれたものか、既に大勢のファンが付いているかで、ぽっと出の新人が今日や明日にも真似できるようなものではありません。

たとえデビュー前の松尾芭蕉や夏目漱石が現代に生きて、小説サイトを運営したとしても、上位表示は難しいでしょう。

国宝レベルの文章でも、「蛙が池に飛び込むと、どんな水音がするか」とか「名も無い猫がにゃーにゃー鳴いている小説」とか、そんなキーワードで検索する人は皆無だからです。

今、彼等の作品が検索結果に上位表示されるのは、「日本中の誰もが知っていて」「日常的に検索されるから」。

それが全てです。

文才だの、センスだのは、全く関係ありません。

言い換えれば、あなたのオリジナルの小説など、誰も知らないし、検索もしない。

たとえ、魅力的なキャラクターや魔法の武器が登場するとしても、誰も知らないものは検索されないし、検索されないものは、永久に人目に付きません。

ノーベル文学賞に値するような傑作でも同じことです。

知らない言葉は検索しない = 誰も見ない。

それが検索エンジンであり、インターネットの世界です。

人が小説について検索するのは、「小説投稿サイト おすすめ」「村上春樹 感想」「ラノベ 書き方」といったキーワードです。

あなたが何を、どう創作しようと、見知らぬキャラクターが、見たことも聞いたこともない武器を手にして、創作の魔物と戦う話など、誰も検索しないし、興味も無いんですね。

それなら、小説を読みたい人が集まる小説投稿サイトを利用した方が、よほど確率が高いです。

あるいは、SNSと併用して、ひたすらPRするかです。

しかし、SNSに関しては、「フォロワー数」と「作品の評価」は全く別ですし(多くのフォロワーは暇つぶしの野次馬)、一目で全容が把握できるイラストや動画と違って、文章は量をこなさないといけません。これは短文文化のSNSにおいては非常に不利であり、難しいです。

結局、SNSのフォロワー集めに必死になって、肝心の作品がまったく上達しないようでは、本末転倒だと思いませんか?

それならせっせと作品を作って、小説投稿サイトに投稿する、あるいは新人賞に応募する方が、はるかに利口で近道ですよ。

どうしてもWordPressで小説を公開したいなら、専門性の高いものにしましょう。

歴史、経済、神話、AI、バイオテクノロジーなど、ある分野に特化した小説なら、それに興味のある訪問者を呼ぶことが可能です。

たとえば、明治維新をテーマにした歴史小説なら、「坂本龍馬」「勝海舟」「西郷隆盛」といった実在の人物を織り込むことで、検索エンジンに上位表示しやすくなります。

あるいは、小説のサイドコンテンツとして、明治維新にゆかりのある町や出来事、当時の文化風俗などを特集すれば、それをきっかけに、小説も読んでくれる人があるかもしれません。

しかし、訪問者が期待しているのは、史実としての「坂本龍馬の生涯」とか「西郷隆盛の功績」なので、小説にはあまり興味を示さないかもしれません。

それぐらい、ネットで小説を読んでもらうのは難しいのです。

そこまで手間暇かける余裕もないなら、小説投稿サイトを利用しましょう。

小説投稿サイトの方が下で、WordPressサイトの方が上等ということは絶対にないです。

訪問者にとっては、配信元が、はてなブログでも、WordPressでも、内容が面白ければ、まったく気にならないでしょう。

それより、一つでも作品を完成させて、小説を読みたい人が集まる所で公開しましょう。

サークルに参加するもよし、Kindleに挑戦するもよし、今はいろんな方法があります。

間違っても、WordPressに小説をアップすれば、自然と訪問者が集まるなどと期待しないこと。

それが出来るのは、「既に知名度がある」「専門性が高い」「誰もが知っているキャラやアイテムを取り入れていること」が前提です。

一方、SNSや日記でアクセスを集めに躍起になれば、創作からかけ離れて、単なるブロガーやツイッタラーになってしまうリスクも考えましょう。

大事なのは、あなたがどんな目標をもっていて、それを達成するには、どんな手段が確実かをしっかり考えることです。

ちなみに私が運営している小説サイトはこちらです。

海洋小説 MORGENROOD -曙光-

作品の概要  西暦末期、無人探査機『パイシーズ』が、みなみのうお座星域より一つの鉱石を持ち帰る。そこに含まれる稀少金属『…

追記 2019年3月25日


【2017年1月の初稿より】

上記のことを踏まえた上で、WordPressでやりたい方の為にメリットとデメリットを列挙します。

WordPressを使い始めるには、データベース(MySQL)の使えるレンタルサーバーが必須ですが、WordPress公式のブログサービス『WordPress.com』なら全ての機能が無料で使えるので、まずはそこで手慣らしすることをおすすめします。

WordPressのメリットとデメリット

SEO(検索エンジン)に対して

WordPressは、あまたのブログツールに比べ、内部構造が検索エンジンに強いと言われています。

「小説家になろう」や「カクヨム」といった小説投稿サイトのコンテンツも、検索結果に反映されますが、どうしても「サイト全体の一部」とみなされますし、テーマや文章が他の作品とダブれば、サイト内(一つのドメイン内)で競合して、上位表示が難しくなります。

一般に、Googleの検索結果に表示されるのは、『一つのドメインにつき、2つのURL(記事)』とされています。(この数値はサイトの質や検索エンジンの仕様により変動します)

たとえば、このサイトには、『一太郎』に関する記事が複数存在しますが、訪問者が「一太郎 書式の設定」で検索しても、検索結果に反映されるのは、二つの記事だけです。たとえ一太郎の書式について紹介した記事が20本あっても、検索結果に出てくるのは、二つだけなんですね。

「小説家になろう」の場合、ドメインは https://syosetu.com/ で、作品のURLは、 https://ncode.syosetu.com/n0955●●/ とかhttps://ncode.syosetu.com/n0074●●/ のように、 ncode.syosetu.com というドメインを共有することになります。

10人の作家が、500本の作品を投稿しても、検索エンジンは、 ncode.syosetu.com という一つの屋号とみなします。

AさんとBさんとCさんが『オーディン』をテーマにした小説を書き、それぞれにストーリーも文体も違っても、 ncode.syosetu.com という屋号の中では、検索結果に表示されるのは二つだけです。たとえば、ユーザーが『オーディン 武器』で検索した時、たとえ、そのキーワードを含む作品が50本あっても、検索結果に出てくるのは2つのURLだけ、ということです。

しかしながら、「小説家になろう」には、小説を読みたい人がアクセスしますから、その中で目を引くことは十分に可能です。

しかし、ネットという大海から見れば、一つの屋号の下で、似たような作品がひしめきあっている状態です。

「小説家になろう」の常連さんは取り込めても、その外側にいるその他大勢の目には届きにくいです。

じゃあ、WordPressなら、「小説家になろう」の常連さん以外に幅広くアピールできるのか、といえば、それもまたハードルの高い話で、自分しか知らない異次元世界やオリジナルの魔法ツールについて、延々と書き連ねても、アクセスは集まりません。先にも書いたように、ネットにおいては、検索されないコンテンツは存在しないも同じことだからです。

それなら、DEATH NOTEやキャプテン翼みたいに、誰もが知っているキャラクターで二次創作をやった方が、はるかにアクセスはとりやすいです。実際、「オスカル アンドレ 結婚のエピソード」みたいなキーワードで検索する人はいっぱいいるからです。

そのあたり、自分はどういうタイプか、何を優先するか、見極めた上で取り組むことをおすすめします。

ちなみに、アクセスを稼ぐ目的で、日記ブログを必死に頑張っても、多くの場合、日記だけで満足して離脱するので、目的達成に結びつけるのはプロでも難しいです。

私も、よく閲覧するプロの作家さんのサイトが幾つかありますが、日記やTwitterだけで満足して、本を購入するところまではいきません。
どうせ、ブログやTwitterの総集編みたいな内容だろうと、と思っちゃうし。
下手に自分を見せると、すぐに飽きられる、というデメリットもありますし。

それなら小説投稿サイトで、小説が読みたい訪問者を相手に、せっせと自作をアピールするのが賢明な気がします。

WordPressは拡張性が高い

WordPressの場合、テキストだけでなく、スライドショーや動画、ショッピング機能やPDFの埋め込みなど、いろんな機能を取り入れることができます。

その他のブログサービスでも同様のことは可能ですが、WordPressの場合、プロ仕様のプラグインが続々と登場していますので、素人でも、ビジュアルの美しいブログや商用サイトを作ることが十分に可能です。

具体例を挙げれば、

1) コンテンツのダウンロード販売が可能。アクセス状況なども詳しく解析できる。

2) ニュースレターの配信やSNSへの誘導など、訪問者にアプローチするプラグインが豊富。

3) 記事の並び順を章立てや人気ランキングなどで自由にカスタマイズできる。既存のブログサービスだと、日付順で固定されているのが大半です。

4) 投稿の編集やカスタマイズが簡単。既存のブログサービスだと、単語の全置換やタグの書き換えなどが面倒ですが、WordPressなら、データベース操作で、一括編集が可能です。繰り返し使用する文言も、ショートコードを使えば、何百もの投稿があっても、一瞬で書き換えができます。

5) プロモーション用のエリアを自由に設置できる。既存のブログサービスだと、サイトデザインもほぼ固定されますが、WordPressは、ギャラリー風、マガジン風、ワンページなど、いろんなスタイルにアレンジできます。

6) パスワード付き投稿、会員限定コンテンツ、ウォーターマークの自動挿入、画像URLの転送など、コンテンツ・プロテクトの機能が高い。

7) 英語に強くなる。WordPressに習熟するなら、英語のドキュメントは不可欠です。イヤイヤでも目を通すうち、確実に英語力はアップします。現代に不可欠な英語とITのスキルを一石二鳥で身に付けることができます。

下記は小説サイトの構築に便利なプラグインの一例です。

Archive Posts Sort Customize
日時、記事ID、作成者、タイトルなどで、記事の並び順を細かく設定できます。(ホーム、タグ、カテゴリーなど)

Category Order and Taxonomy Terms Order
カテゴリーやタグの並び順をドラッグ&ドロップで自在にカスタマイズ可能。

Post Types Order
Intuitive Custom Post Order
どちらも記事やタグの並び順を細かくカスタマイズできる有名なプラグインです。

Google Drive Embedder 
Google Driveを使ったPDFやオフィスドキュメント、画像、ビデオなどの埋め込みが可能。自身の端末で同期管理できるので、ファイル編集も楽々。
ダウンロード、印刷の禁止など、機能制限もできます。

WP Content Copy Protection & No Right Click
右クリック禁止やショートカットーキーの無効化、警告メッセージなど、細かにカスタマイズできるプラグイン。
有料版では、java script、htacess などを使った、さらに細かなプロテクションが可能。

MATOMO アクセス解析
Google Analyticsより詳細なビジターログの取得が可能。Googleとデータ共有しないので、情報保護の点でも優れています。
詳しくは、小説サイトにGoogle AnalyticsよりMatomoアクセス解析をおすすめする理由

Custom Post Type UI
カスタム投稿機能を使えば、「SF」「漫画レビュー」「雑記」など、ジャンルごとに投稿グループを作成することができます。管理も非常に楽です。

Shortcodes Ultimate
素人には設置が難しいプルダウン、マーカー、ボックス、ボタン、ギャラリー、投稿タイトル出力など、様々なスタイルをワンクリックで挿入できます。

Ad Inserter – AdSense plugin, WP Ads, Header Code
元々は広告コード専用のプラグインですが、定型句、JavaScriptなどの挿入にも使えます。希望の位置に、特定の記事やカテゴリーだけ、表示・非表示と、細かくカスタマイズできるので、非常に重宝します。

Image Watermark
一番ムカつく画像のパクリもウォーターマークを自動挿入すれば高確率で防げます。
同様のものに Easy Watermarkがあります。

Display Posts Shortcode
記事タイトルやコンテンツの出力を容易にするプラグイン。小説サイトの場合、導線が非常に重要なので、前後のエピソードやカテゴリー内のタイトルを一覧表示するのに便利です。Twitter風の短文投稿を1ページにまとめて表示もできます。

自由に広告挿入できる

小説投稿サイトや既存のブログサービスの場合、広告の設置が制限されている場合があります。

その点、独自ドメインで運営するWordPressには制限がありません。

少しでも収益があった方がモチベーションアップに繋がります。

ドメインが育てば、後はラクラク

独自ドメインの場合、ゼロからサイトを育てるのは非常に根気が要ります。コンテンツの質によっては、「アクセスが増えた」と実感するまで、一年、二年、あるいはそれ以上かかるかもしれません。

しかし、ひとたびドメインが育って、サイト運営が軌道にのれば、何を書いても早々と検索結果に反映されるバラ色の時代がやって来ます。

その頃には、SNSやブックマークでシェアされる回数も増え、固定ファンも付いているでしょう。

人によっては、広告収入が安定して、ちょっとした副業レベルになっていると思います。

小説投稿サイトの人気者が、必ずしもプロデビュー(マネタイズ)できるとは限らないことを思えば、数年がかりで、自サイトを「第二の資産」と呼べるほど育てる方が実益は大きいかもしれません。なぜなら、ウェブ界でそれほどの存在感(上位表示させるだけの実力)があれば、メディアから声をかけられたり、出版社にアプローチしたり、憧れの人と繋がったり、可能性も広がるからです。

王道を行くなら、新人賞に応募するのが一番確実ですが、今は脇道も無数に広がっていますので、いろいろ模索しながら、自分に合ったやり方を見つけましょう。

初心者・中級者向けレンタルサーバー

初心者なら月額250円~のスターサーバーで十分。テキスト系サイトなら、一日数万PVでも落ちません。
私も4年ぐらい使っていました。(ミニバード、ファイアバードの時代) ネットオウル・ポイントもなかなか便利です。



中級者に昇進したら、エックスサーバーに乗り換えましょう。ここは本当にレスポンスが早いし、次々に新しい機能を導入して、サービス精神も旺盛。
カスタマーサポートも親切ですよ。バックアップ機能やキャッシュ機能なども充実しています。



WordPressに特化した高速サーバー。私も一年使いましたが、総合的にはエックスサーバーの方が使いやすいです。



独自ドメインの取得はネットオウルの「スタードメイン」がおすすめ。
上記のスターサーバーと併せて使えば、ネットオウル・ポイントでお得です。
私も長年使っています。



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>海洋小説『曙光』MORGENROOD

海洋小説『曙光』MORGENROOD

宇宙文明の根幹を支える稀少金属ニムロディウムをめぐる企業と海洋社会の攻防を舞台に描く人間ドラマ。生きる道を見失った潜水艇パイロットと愛を求めるフォルトゥナの娘の恋を通して仕事・人生・社会について問いかける異色の海洋小説です。
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